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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
プラセボ対照試験 |
placebo-controlled study |
解説(1) |
プラセボ対照試験とは? |
薬効成分を含まない「プラセボ」(偽薬)を対照群として実施される比較試験。 「プラセボ対照比較試験」ともいいます。 |
プラセボ対照試験では、被験者は、 「被験薬」(試験で調べたい薬剤) 「プラセボ」(偽薬)を投与される のいずれかに、 被験者を恣意的に特定の治療群に割り付けてしまうというバイアス(偏り)をなくすためです。 |
なお、「プラセボ」とは、 |
割り付けられたのが(投与されたのが)プラセボであることが、被験者や担当医師に分かってしまうと、バイアス(偏り)が発生して、試験結果に影響を及ぼします。 そこで、プラセボ対照試験は、通常は、 |
「プラシーボ効果」をなくすために、被験者に投与されるのが「プラセボ」か「被験薬」か「実薬」であるかを明らかにしてしまったら、今度は「期待効果」が「被験薬」や「実薬」のほうに、偏って起きてしまいます。 「プラシーボ効果」をなくそうとすることは、比較臨床試験を無意味にしてしまうので、現実的ではありません。 ならば、「被験薬」「実薬」にも「プラシーボ効果」が同じ程度だけ起きるようにする、 プラシーボ効果をなくすのではなく、二重盲検と無作為化(ランダム化)によって、プラシーボ効果を管理・コントロールする。 それが、プラセボ対照試験の基本的な考え方なのです。 |
解説(2) |
プラセボ使用のメリット@ |
プラセボでなければ 二重盲検は不可能 |
「プラセボ」は、外観・味・臭いその他の物理的特徴において、「被験薬」や「実薬」と識別不可能に製剤できます。 それができるのは、薬効成分が含まれていないからです。 薬効成分を含む「実薬」には決してできないことです。 「二重盲検」は、「プラセボ」を使うからこそ可能になるのです。 この単純な真実に、意外と多くの人が気づいていません。 |
解説(3) |
プラセボ使用のメリットA |
被験薬の薬理作用以外の潜在的な影響の除去 |
「プラセボ」という不活性な治療を受ける群を試験に組み込むことにより、 例えば、 ● 自然変動 ● 被験者・治験実施医師の期待 ● 試験に参加していることによる効果 ● 他の治療の使用 ● 診断・評価の主観的要素等 などです。 |
つまり、これらの影響については、「被験薬群」も「プラセボ群」も、同じように受けているわけです。 したがって、「被験薬群」と「プラセボ群」のデータの違い(差)は、純粋に、「被験薬の薬理作用」によるもの、と考えることができるということです。 |
解説(4) |
ダブルダミー |
試験によっては、被験薬の複数用量を調べたり、 実薬対照薬とプラセボの両方を含むこともあります。 このような場合、治験実施医師にとっては、全ての治験薬の見かけを同じにしようとするのではなく、複数の種類のプラセボ(「ダブルダミー」)を用います。 その方がはるかに容易であるからです。 ダブルダミーは、臨床試験においては、良く使われる手法です。 |
解説(4) |
プラセボ対照試験のデザイン |
プラセボ対照試験にも ● 並行群間比較デザイン ● クロスオーバーデザイン ● 実薬群での固定単一用量又は用量調節をした試験デザイン ● 複数の固定用量による比較試験デザイン などがあります。 |
なお、 例えば、 しかし、これはあくまでも |
「プラセボ対照試験」とは、あくまでも、 プラセボ対照群を使用することが、必ずしも「プラセボ対照群が治療を受けない」ということを意味するとは限りません。 プラセボ対照試験の中には、一般的な標準治療に、「新しい治療」または「プラセボ」を上乗せして、結果を比較するという、「上乗せ試験」があるからです。 |
関連用語 |
プラシーボ効果 |
ダブルダミー |
二重盲検比較試験(DBT) |
単盲検試験 |
非盲検試験 |
盲検化 |
二重盲検法 (ダブルブラインド法) |
ランダム化(無作為化) |
ランダム化比較試験(RCT) |
並行群間比較試験 |
クロスオーバー比較試験 |
実薬対照試験 |
上乗せ試験 |
置換え試験 |
実薬 |
治験薬 |
被験薬 |
対照薬 |
対照 |
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医薬品 |
医療用医薬品 |
薬剤 |
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