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治験(臨床試験)において
対照薬」として使用する、
有効成分を含まない、すなわち、
治療効果のない治験薬。

このような、
有効成分を含まない偽の薬
(=薬のように見えるもの)を、
プラセボ」または、
偽薬」(ぎやく)といいます。

→ 対照薬

なお、プラセボは、

被験薬
(開発中の薬剤で、臨床試験によってその効果を調べたい対象)と

● 外見
  (外の色・形・大きさ・肌合い・中の色)
● 重さ
● 味覚

の点において、全くそっくりに製剤化されています。

治験を実施する医師も、製薬企業の開発担当者も、中身を分析しない限り、判別することはできません。

→ 被験薬

 
 

プラセボは、「比較試験」、
特に、「二重盲検比較試験」(DBT)
という種類の臨床試験で使われます。

二重盲検比較試験(DBT)

二重盲検法(ダブルブラインド法)

たとえば、

@ 開発中の薬剤を投与する患者の群
  (治療群)

A 薬効成分のない「プラセボ」
  を投与する患者の群
  (プラセボ群=無治療群)

に分けて、
それ以外は全く同じ条件で治験を実施し、
両者の臨床データを測定し、データを比較することによって、治療効果の有無を確かめる、
という臨床試験の実施方法です。

プラセボは「薬効成分がない」すなわち「治療効果がない」ので、本来ならば、「プラセボ群」より「治療群」のほうが、良い結果を生むはずです。

ところが、「プラセボ」と「被験薬」は外見的にも見かけ的にも区別できません。

「プラセボ」を投与された被験者にも、「効果」(回復効果)が現れることがあります。

逆に、症状が悪化したり、薬物有害反応のように見える症状が発生する場合もあります。

これを、「プラシーボ効果」(期待効果)と言います。

→ プラシーボ効果

何ゆえ、薬効成分のないプラセボで、効果が現れたり、薬物有害反応のように見える症状が現れるのか?

人間の心理が肉体に及ぼす影響は、実に不思議です。

→ 薬物有害反応(ADR)

 
 
なお、薬効効果の全くない「プラセボ」の代わりに、実際に市販されている薬を対照薬とする治験もあります。

最近では、むしろ増えつつあります。

プラセボより効果があったことが証明されただけでは、「よく効く薬」かどうかがわかりません。

実際に認可され市販されている薬と比べてみて、より高い効果が証明されて、初めて「よく効く薬」だと言えます。

このような、既に認可され市販されている同様の効果のある薬を「実薬」(じつやく)と呼びます。

→ 実薬

また、実薬とその有効性や安全性を比較するために実施する試験を、「実薬対照試験」と言います。

→ 実薬対照試験

 
 

「プラセボ」は通常、「偽薬」と訳されます。

ところが、薬効成分を含む含まないに限らず、被験薬(効果を調べたい開発中の薬剤)と有効性を比較するために投与される「対照薬」を総称して、「プラセボ」と呼ぶ場合がまれにあります。

この場合、「プラセボと」は、「開発対象ではないが薬効成分を含む薬剤」と「薬効成分を含まないもの(狭義のプラセボ)」
の2種類に分類されます。

薬効成分を含むプラセボを
アクティブ・プラセボ
(活性プラセボ)、

薬効成分を含まないプラセボを
インアクティブ・プラセボ
不活性プラセボ

と呼びます。

なお、このどちらの場合においても、2重盲検法によって、どちらが被験薬でどちらがプラセボ(対照薬)であるか、医師にも患者にもわからないようにしなければいけないことは、言うまでもありません。

比較対照試験に用いられるこれらの「治験薬」は、外見、包装、味などにおいて、全く見分けがつかないように、製造されます。

→ 治験薬

 
 
プラセボとは?
プラセボ対照試験
ヘルシンキ宣言におけるプラセボに関する記述
1.なぜ、プラセボを使うのか?
2.プラセボは倫理的に問題があるのでは?
3.プラセボについて、インフォームドコンセントはあるか?
4.プラセボが治験に用いられるのは、どんな場合か?
5.プラセボに当たる確率は?
6.プラセボであるかどうかなぜ教えないのか?
7.治験終了後にプラセボかどうか教えてもらえるか?
 
 
プラシーボ効果
ダブルダミー
二重盲検法
(ダブルブラインド法)
二重盲検比較試験(DBT)
盲検化
ランダム化(無作為化)
偏り(バイアス)
ランダム化比較試験(RCT)
上乗せ試験
実薬
実薬対照試験
治験薬
被験薬
対照薬
対照
薬物
医薬品
医療用医薬品
薬剤
 
 
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