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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
実薬対照試験 |
active-control trial [study] active-controlled trial [study] |
解説(1) |
実薬対照試験とは? |
既知の、 被験薬と なお、 |
実薬対象試験は、通常 |
被験薬が実薬と比較して、 「実薬対照試験」は、 @ 「実薬対照優越性試験」 被験薬が実薬より高い有効性を持つ 被験薬が実薬と同等の有効性を持つ B 「実薬対照非劣性試験」 劣らない有効性を持つことを検証 |
解説(2) |
実薬対照試験の長所 |
実薬対照試験は、 実薬対照試験は、 また同様に、 |
@ 多くの被験者を集めやすい 薬効のないプラセボ投与ではないので、より多くの被験者での臨床試験が可能になります。 ※プラセボ群(無治療群)に割り付けられる可能性があると、疾患の状態によっては参加できない患者(医療倫理上の問題)、あるいは参加を断る患者がいるので、被験者数がどうしても少なくなります。 |
A 多くの安全性情報を得られる より多くの被験者による臨床試験が行われれば、それだけ多くの「安全性情報」を得ることも可能になります。 |
B 脱落が少ない また、投薬による効果がないことによる、つまり、プラセボ投与群に割り付けられたことによる「脱落」が少なくなるというメリットもあります。 |
C 治験審査委員会および倫理委員会の承認を得やすい 無治療という倫理的問題をクリアするので、患者の募集が受け入れられやすくなり、治験審査委員会および倫理委員会の承認が促進される可能性が高くなります。 |
解説(3) |
実薬対照試験の短所 |
@ 絶対評価ではなく、相対評価 試験によって得られる、被験薬の効果の大きさ(有効性)の評価は、実薬に対する相対的な評価のみとなります。 たとえ試験の分析感度が支持され、その試験が有効性を検出するのに適したものであっても、効果の大きさの直接的な評価(絶対的な評価)は得られないのです。 |
A 安全性の定量的評価が困難 また、実薬群においては、実薬による薬物有害反応が起こりうるので、安全性に関する結果の定量的評価には、より一層の困難を伴います。 |
B 差の検出に多くの被験者が必要 2つの薬剤の差を示すための実薬対照優越性試験では、両薬間の差は、薬とプラセボの間に期待される差よりも常に小さくなります。 これを検出するためには、必要とされる被験者数が多くなります。 もちろん、実薬対照なのでプラセボ対照よりも被験者数は集めやすいというメリットがあることは前述の通りです。 しかし、より多くの被験者による臨床試験を実施しなければならないということは、結果的に、コストと時間が余計にかかる、ということでもあるのです。 |
解説(4) |
実薬対照試験とバイアス |
ランダム化と盲検化のなされた実薬対照試験は、一般に被験者と治験実施医師のバイアスを最小にしますが、一つ注意すべき点があります。 たとえば、他の実薬対照試験同様、非劣性試験においても、治験実施医師および被験者は、どちらの薬を投与されているかは分かりません。 しかし、全ての被験者が実薬を使用していること自体は、治験実施医師も被験者も、最初から知っています。 つまり、効果のあるであろう「実薬」または「被験薬」が投与されているという自覚あるいは他覚による、一種の「プラセボ効果」(バイアス)です。 このことにより、 そのようなバイアスは、観測された治療間差を小さくする可能性があり、非劣性が示されたことが有効性の証拠とはならない、という可能性を高くします。 |
関連用語 |
実薬 |
治験薬 |
被験薬 |
対照薬 |
対照 |
プラセボ |
プラシーボ効果 |
プラセボ対照試験 |
ダブルダミー |
二重盲検試験 |
単盲検試験 |
非盲検試験 |
盲検化 |
二重盲検法 (ダブルブラインド法) |
ランダム化(無作為化) |
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