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既に新医薬品として承認された医薬品(先発品)と生物学的に同等であることを証明するために実施する試験。

BE試験」と呼ぶこともあります。

試験の主旨に同意して、
自発的に参加した健常人(20人程度)
に対して
先発品と後製品を常用量投与し
血中濃度の推移を比較
することにより、
先発品との同等性を証明します。

→ 健常人

→ 先発品(先発医薬品)

→ 後発品(後発医薬品)

→ 血中濃度

具体的には、
ジェネリックメーカーが個別に測定した標準製剤(先発品)のAUC(血中濃度曲線下面積)と、新たに申請するジェネリックのAUCを比較して、格差が無いことを示します。

→ 血中濃度曲線下面積(AUC)

生物学的同等性試験は、通常、「クロスオーバー法」で行います。

対象人数が10名から20名程度と少人数で済むのが、クロスオーバー試験の特徴です。

→ クロスオーバー試験

試験結果の評価は、血中濃度の推移(AUCや血中濃度曲線)で信頼区間の範囲内であれば良いとされます。

薬剤の吸収パターンが同じであることを証明すれば、薬剤の効き目が同じである、すなわち、治療効果の同等性が科学的に保証される、という原理(前提)があるからです。

 
 

同じ薬効成分を同量含む製剤であっても、製造元によって不活性成分(薬効成分以外の添加物)の種類や組成が異なったり、製剤のコーティング物質やコーティング方法が異なるため、製剤から薬効成分が溶け出す速度が一致しない場合があります。

→ 製剤

そのわずかの差によって、薬物のバイオアベイラビリティ、吸収パターン、すなわち、効き方(効き目)が違ってくるのです。

→ バイオアベイラビリティ

従って、後発品(ジェネリック)を当局に申請する際には、先発品と同等の作用を持つことを証明するデータが必要とされます。

生物学的同等性試験は、それを得るために行う試験の1つなのです。

後発品は先発品と同一成分であれば、第U相、第V相のような複雑で手間と時間のかかる臨床試験が免除されます。

その分、製剤技術の違いによる効き方(効き目)の違いが問題となります。

生物学的同等性試験は、先発品と後発品のバイオアベイラビリティの一致を確認するための試験と言えます。

なお、後発品申請の際に、他に必要な試験として、薬物の溶け方を先発品と比較する「溶出試験」があります。

→ 溶出試験

後発品申請以外では、「含量違いの製剤」を同時に申請したい場合や、開発中に「製剤の処方を変更」した場合に実施されます。
 
 

先発品の開発段階において、動物実験から第T相〜V相の治験が実施され、成分による安全性と効果はすでに確かめられています。

そのため、後発品では、生物学的同等性試験と溶出試験のような小規模の試験を実施するだけで、医薬品としての承認を得ることができます。

後発品(ジェネリック)は、先発品によって
安全性及び効果が確かめられていることから、臨床試験を簡略化できます。

重篤な副作用の発現による開発中止というリスクも無いので、開発費がかからず、安価な値段で販売できます。

それが認められるのは、国家の医療費削減(正確には、薬剤費削減)という財政上の目的があるからです。

もっとも、後発品は先発品の特許が切れなければ、製造販売することができないので、それまで、じっと待たなければなりませんが。。。
 
 

2004年3月26日の日刊薬業によると、

プラバスタチン(高脂血症薬)の後発医薬品の生物学的同等性試験結果を基に、各製剤の同等性評価を実施したところ、各後発医薬品の成分や含量が同じにも関わらず、体内に取り込まれた薬の量を示す指標である、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)において、3倍以上のばらつきが認められた。
(福井大医学部附属病院薬剤部
        中村敏明主任らの研究報告)

つまり、後発品メーカー各社は、申請時に生物学的同等性試験を実施して、オリジナルの先発品と同等であることを証明はしたが、それら後発品を製剤間で比較すると、
かなりのばらつきが存在するということです。

これだけのばらつきが生じた原因として、
(1)被験者が異なる
(2)製剤技術が異なる
ことが考えられます。

この研究報告によって、医師がジェネリックの品質に懸念を抱く根拠として、データとして裏づけらたことになり、後発品メーカーは、懸念を払拭するような対策が必要でしょう。

 
 
健常人
先発品(先発医薬品)
後発医薬品(後発品)
同等性試験
非劣性試験
優越性試験
バイオアベイラビリティ
クロスオーバ試験
溶出試験
血中濃度
最高血中濃度(Cmax)
最高血中濃度到達時間
(Tmax)
半減期(t1/2)
血中濃度曲線下面積
(AUC)
平均滞留時間(MRT)
分布容積
線形性
ADME(薬物の体内動態)
初回通過効果
薬物動態試験(PK試験)
薬物動態学(PK、薬動力学)
ポピュレーションPK
PK/PD試験
薬力学(PD)
薬力学試験(PD試験)
臨床薬理試験
第T相試験
第U相試験
第V相試験
薬理学
製剤学
製剤
薬物
医薬品
医療用医薬品
薬剤
 
 
後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン
(1997/12/22)
【工事中】★リンク切れ
後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインに関する質疑応答集(Q&A)
(1998/10/30)
【工事中】★リンク切れ
 
 
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