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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
ポピュレーションPK法 |
Population Pharmacokinetic Methods |
解説(1) |
ポピュレーションPK法とは? |
患者における採血回数を減らすと同時に、薬効・用量などの患者間個体差を定量的に明示できる、画期的な試験実施の方法論。 臨床試験に参加した全て又は特定の一部分の患者から、通常、一患者当り定常状態で2回または3回血中薬物濃度を測定し、これを集団に基づいて評価する方法。 「ポピュレーション・ファーマコキネティクス法」あるいは「母集団薬物動態法」とも言います。 |
解説(2) |
ポピュレーションPK法が開発された経緯 |
PK試験(薬物動態試験、薬動力学試験)では、被験者からの頻回採血(何度も繰り返して採血すること)が必要となります。 そのため、被験者の負担がとても大きいのが課題でした。 また、健常者が被験者となる第T相ではともかく、患者が被験者となる第U相以降のPK試験では、採血を繰り返すことが、被験者の容態に変化を与えることが考えられ、倫理的に問題があるだけでなく、それが試験のデータに影響する可能性がありました。 これらの問題を解消した試験方法がポピュレーションPK法です。 |
ポピュレーションPKでは、一患者当たりの採血回数を少なくすると同時に、採血する時点を各患者でばらつかせて採血します。 採血によって取得されたデータを統計処理することにより、患者の個体差の程度や引き起こされる要因を定量的に明示することができるのです。 |
解説(3) |
ポピュレーションPK法を用いた試験、統計解析 |
ポピュレーションPK法を用いた試験を、「ポピュレーションPK試験」(母集団薬物動態試験)と呼びます。 また、ポピュレーションPK試験において使われる統計解析手法を、「ポピュレーションPK解析法」(母集団薬物動態解析法) と呼びます。 ポピュレーションPK法は、臨床試験だけでなく、 製造販売後臨床試験にも有用な方法論であるとされています。 また、個別患者の薬物濃度推移を推定できるため、 簡易なオーダーメード医療につながる可能性もあり、多方面で期待されています。 |
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