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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
医薬品の投与と副作用 |
解説(1) |
副作用のないものはない |
副作用と医薬品の関係について、まず理解しておかなければいけないことは、 「副作用の存在しない薬は存在しない」 「全ての薬に副作用は存在する」 という根本的な現実です。 |
もっと言うならば、 「薬に限らず、この世界にに存在する全ての物質に副作用は存在する」 ヒトの体に必要な塩や水分、酸素でさえ、 料理に不可欠な塩分であっても、大量に摂取すれば、有害な物質(毒物)となります。 水や酸素についても同様です。 |
解説(2) |
副作用は一律ではない |
医薬品の副作用による毒性は、 @ 分量 などにより複雑に変化します。 医療者は、「治療効果」と「副作用のリスク・程度」を天秤にかけながら、慎重に、医薬品の選択及び投与(処方)を行う必要がありるのは言うまでもありません。 しかし、副作用の発現の仕方が、患者の身体的条件やその他の要因の組み合わせによって異なってくるので、副作用を完全に防ぐことは決して簡単なことではありません。 |
解説(3) |
副作用は治験では調べきれない |
本来ならば、開発時の臨床試験の際に、これら全ての組合せについて、副作用の発生リスクを調べるのが理想的です。 しかし、開発企業の予算、開発スケジュールの制約から、そこまでは出来ませんし、法的にも強制していません。 従って、副作用や薬害は、その薬が承認・市販されて、広く臨床の現場で使われるようになって初めて明らかになることが多いのです。 今後技術の進歩によって、ある程度副作用を防げるようになるでしょう。 それでも、副作用が完全に無くなることは今後も決してないでしょう。 |
解説(4) |
遺伝子情報と副作用 |
近年のバイオインフォマティクス(生命情報科学)の発展により、 ある薬剤に対する副作用の発現有無・程度は、患者の遺伝形質によって異なる ということがわかってきました。 (もちろん、他の要素も副作用に関わってきますが。) 今後、遺伝子と副作用の関係が明らかになれば、患者ごとに、副作用が最も少なく、かつ、有効性の高いクスリを処方することが可能になると思われます。 これを、「テーラーメード処方」と言います。 |
関連リンク集 |
ADL(ABCDXYZYZ) |
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