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治験・臨床試験 Q&A集 |
1. 治験とは?臨床試験とは? |
回答 | |||
治験と臨床試験の違い | |||
「治験」の前に、まず「臨床試験」の概念を理解しておく必要があります。 「患者を対象とした、医薬品の有効性の確認を目的とする、治療を兼ねた試験」 を「臨床試験」と呼びます。 「臨床で行う試験」、つまり、病床に臨んで患者に対し実地で行う試験なので、 |
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「臨床試験」を行う目的は、 ● 新薬の開発 など様々です。 いずれにせよ、 |
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そして、「臨床試験」のうち、製薬企業が「新薬開発」のために行う「臨床試験」を、特別に「治験」と呼びます。 つまり、「治験」は「臨床試験」の一種です。
薬事(医薬品)行政上の視点から、 したがって、「治験」は、「医学用語」というよりも、「行政用語」としてとらえたほうが良いのかもしれません。 |
関連用語 |
治験 |
薬物 |
医薬品 |
安全性 |
副作用 |
関連Q&A |
治験の3つの段階って? |
治験はなぜ必要か? |
治験と人体実験の大きな違いは? |
治験が人体実験とならないための必要条件 |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
@ 治験の前に動物実験を実施する |
治験の前に、動物実験(「前臨床試験」)で、有効性や安全性を十分に確認します。 |
関連用語 |
前臨床試験 ┗非臨床試験 |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
A 患者に投与する前に、まず健康な人で試験する |
患者に投与する前に、健康な人(「健常人」)に投与することで、人体に対する「安全性」を確認します。 動物に投与して副作用が出なくても、人体では副作用が出る場合があるからです。 なお、まず健康な人に投与するのは、万一副作用が起きても、患者よりはダメージが少なくて済むからです。 健康な人に投与するのは「治験」の最初の段階であり、「第T相」と呼ばれます。 |
関連用語 |
健常人 |
第T相試験 |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
B 副作用が発生した場合 |
もし、治験の結果、被験者(健康な人、患者)に「重篤な副作用」が発現するというような、安全性に重大な問題があった場合は、当然、医薬品(薬)として認められることはなく、「開発中止」となります。 また、副作用による健康被害の治療及び後遺症に対しては、被験者に対して十分な補償(医療または金銭の提供)が行われます。 |
関連用語 |
重篤な副作用(SADR) |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
C 治療効果がなかった場合 |
もし、治験の結果、治療効果が認められなかった場合は、当然、医薬品(薬)として認められることはなく、「開発中止」となります。 |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
D 科学的かつ倫理的に実施すること |
治験は、それによって得られるデータの信頼性を確保すると共に、被験者の人権を守るために、「医薬品の臨床試験の実施基準」(GCP)という厳格な法律の下に、厳格に実施されます。 治験は、科学的かつ倫理的に実施することが義務付けられており、そのために様々な規則や監視・チェック手段が定められています。 GCPは法律なので、遵守しなければ、厳しく処罰されます。 |
関連用語 |
医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP) |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
E 治験審査委員会 |
治験の実施前・進行中は、医療専門家、法律家、市民によって構成された、治験の進行を監視する委員会(「治験審査委員会」)によって、GCPにのっとり科学的かつ倫理的に監視・審査されます。 非常に大きな権限を持つので、治験の実施に当たって、科学面・倫理面で重大な問題が発生すれば、治験中止を命じる場合もあります。 |
関連用語 |
治験審査委員会(IRB) |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
F インフォームコンセント |
治験に参加する患者(被験者)は、 参加する治験の この全プロセスが、治験における、 同時に、治験実施側には、被験者から「インフォームド・コンセント」を得ることが義務づけられています。 この権利によって、 |
関連用語 |
インフォームド・コンセント (IC) |
文書同意 (文書による同意) |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
G いつでも治験をやめられる |
被験者は、治験に参加する時の自己決定権を持つだけでなく、いつでも理由なく参加を中止する(事前に参加を取りやめる、治験の途中で参加をやめる)ことができます。 また、参加中止による不利益を一切被らないことを保証されています。 なお、治験薬の投薬を中止することによって、被験者の疾患症状に重大な影響が出ることが予想される場合には、多少の猶予期間が必要になるかもしれません。 |
最低限知っておきたい 治験に関係する事項 |
H プライバシーの遵守 |
通常、治験は、その薬剤を開発した、あるいは販売を行おうとする製薬企業が計画しますが、その実施自体は、病院などの医療機関に委託して行われます。 そのため被験者と直接対応するのは、医療機関の医師及び医療スタッフ・治験スタッフであり、製薬企業の治験担当者と接触することも、顔を見られることもありません。 被験者の個人情報は、治験実施期間が管理し、製薬企業の担当者に、個人情報が知られることもありません。 治験においては、最初から最後まで、被験者はID番号(症例番号)で管理され、治験結果の報告書などでも、その番号が使われます。 なお、個人情報のうち、性別・年齢(生年月日)は、症状に影響する要因であり、治験結果のデータ分析や評価に不可欠な情報であることから、CRF(症例報告書)にも記載され、データとして管理されます。 また、データの取り違えを防ぐため、イニシャル(アルファベット2文字)についても、CRF(症例報告書)にも記載され、データとして管理されます。 |
関連用語 |
症例番号(識別番号) |
症例報告書(CRF) |
補足 |
治験という名称について |
「治験」とは「治療試験」の略称で、 一般的には、 「治療実験」の略称という説もありますが、 |
海外での呼び方 |
治験は、英語では、 似た言葉に、 治験と混同する方も多いのですが、 ただし、これらの英語表記を混同して使われる場合もよくあるので、注意が必要です。 |
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