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1946年、ドイツのニュルンベルグにて、第二次世界大戦中のナチスによって行われた残虐かつ非人道的な人体実験を裁くため、「ニュルンベルク裁判」が開かれました。

この判決に基づき、ナチスの人体実験に対する厳しい反省をふまえ、人体を用いて試験を行う際に遵守すべき十項目の基本原則を定めた 「ニュルンベルグ綱領」(1946)が生まれました。

その後、世界医師会は、インフォームド・コンセントの原則を1964年と1981年の総会の宣言「ヘルシンキ宣言」に盛り込み、欧米を中心にして、具体的な内容が形成されて行きました。

→ ヘルシンキ宣言

 
 

医師を含む医療を行う者は、
患者に対して、

@ 患者の病名や症状

A 治療又は処置の内容

B 治療のリスクや起こりうる副作用

C 治療法や処置の成功率

D 治療に必要な検査の目的及び内容

E 他に考えられる別の治療法及び処置

F 治療を受けなかった場合に予想される結果

などを分かりやすい言葉で説明しなければいけない。

また、こうした説明を患者が十分に理解し、納得し、同意して、初めてインフォームド・コンセントは成り立つのです。

患者側が、受ける治療について、「十分に理解していない」「十分に納得していない」のであれば、それは、インフォームド・コンセントとは言えません。

 
 

また、インフォームド・コンセントには、「自分の生命や身体のことは最終的には自分で決める」という「自己決定の原理」が導入されているのですが、これには、なかなか難しい問題が含まれています。

インフォームド・コンセントを行うには、まず、患者に対して「告知」をしなければならないからです。

癌のような致命的な疾患の場合、告知されることにより患者が絶望し、時には自殺してしまうことなどを恐れるあまり、告知自体を避ける場合が多々あります。

家族にとっては、非常につらい選択ではあるかもしれません。

しかし、患者に対して告知を行わないことは、患者の自己決定権を侵害していることであると言えます。

まずは、告知を受けるかどうか自体を、患者が自己決定するべきなのです。

 
 
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