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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
患者アドボケート |
patient advocate |
解説(1) |
患者アドボケートとは? |
患者サイドに立って、 「患者支援者」と訳されます。 患者の希望や疑問点、問題点などは、 わかりやすく言うなら かっこ良く言うなら、 |
一般に「アドボケート」(advocate)とは、 自己権利を主張することが困難な弱者の味方となって、その権利や利益を「守る」「擁護する」ために活動する人 を意味します。 |
解説(2) |
患者アドボケートが必要な理由 |
どんなに医療スタッフが患者のために最善を尽くしたとしても、患者やその家族が、医療スタッフ・病院に対して不満や不信感を抱くことは、日常茶飯事です。 しかし、ただでも病気になっていることで、肉体的・精神的にも弱い立場に置かれている患者は、医療スタッフ・病院に対して、直接不満や不信感を表明することはなかなかできません。 本来、患者は、医療サービスを受けている「お客様」であり、大切に扱われ、その意思が尊重されるべきです。 しかし、従来日本では、患者は「医師に頭を下げて病気を診て頂く」という、卑屈な立場に置かれることも多いのが実情でした。 医師に対して、何か不満や不信を表明したら、「診てもらえなくなるのではないか」「治療に手を抜かれるのではないか」といった恐怖心を持たざるを得ず、疾患や怪我による苦しみだけでなく、精神的な抑圧から来る苦しみとも、戦わなければなりませんでした。 そんな時に、親身になって患者の相談に乗ってくれる、病院と患者をつなぐ調整役としての専任スタッフがいれば、医療の内容について、相談・質問したり、本音を打ち明けたりすることができます。 診断結果、病気の内容、治療処置の方法、インフォームド・コンセントなどに関する患者の不明点など、患者が抱える様々な問題が解決できるのです。 |
米国の病院では、すでにこのような体制が根付いており、医療機関評価においても、専任スタッフ(患者アドボケート)が存在するかどうかが、重要な評価基準になっています。 本来は、このような専任スタッフを置かなくても、医師、看護師、薬剤師など、病院の医療スタッフ全てが「患者アドボケート指向」で患者に接するべきです。 なぜなら、「患者アドボケート指向」こそが、「患者中心の医療」の本質であるからです。 しかし、それは、あくまでも「気持ち」の上でのことであり、実際には医療スタッフたちは、日常の仕事に追われて、なかなか個々の患者とじっくり向き合えないのが、現実です。 そのため、患者を支援する専門スタッフ「患者アドボケート」が必要となるのです。 「患者支援のための専任スタッフ」であるならば、患者のほうも、気兼ねなく支援を求め、相談・質問したりすることができます。 |
解説(3) |
患者アドボカシーとは? |
patient advocacy |
「患者アドボケート指向」を実践する言葉として、「患者アドボカシー」も良く使われています。 |
アドボカシーとは? |
dvocacy |
自己権利を主張することが困難な弱者の味方となって、その権利や利益を「守る」「擁護する」ために活動すること。 特に、 |
以上のように、「患者アドボケート」、「患者アドボカシー」は、「患者中心の医療」における重要なキーワードであり、今後の日本医療においても、大きな役割を果たしていくことが期待されます。 |
関連用語 |
患者中心の医療 |
情報の非対称性 |
患者の権利章典 |
パターナリズム(父権主義) |
インフォームドコンセント |
医療におけるインフォームドコンセント |
科学的根拠に基づく医療 (EBM) |
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