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治験・臨床試験に参加するためのインフォームド・コンセントを行う際に使用する文書で、「説明文書」と「同意文書」が一体化したもの

治験・臨床試験においては、「被験者(参加者)の権利と安全性」を守るために、事前にインフォームド・コンセントを必ず行います。

→ インフォームド・コンセント

「同意説明文書」は、インフォームド・コンセントを行う際、担当医師(あるいはCRC)から、参加候補者に対して手渡され、同時に丁寧かつ詳しい説明がなされることになっています。

そして、参加候補者及びその家族が、その内容を十分に理解し、納得した上で、参加候補者が「同意説明書」に署名捺印し、担当医師(あるいはCRC)に渡すという流れになります。

「同意説明文書」とは、患者が治験・臨床試験に参加する前に、治験の内容や目的、リスクや注意点などをじっくり読んで理解し、また家に持ち帰って家族や知人と相談したりして、十分に検討できるようにするための「説明書」です。

それと同時に、

十分な説明を受けた上で、納得して治験・臨床試験に参加することに同意したことを証明する文書(「同意書」)でもあります。

文書にて「説明」が行われるのは、「口頭による説明」ではなく、「文書による説明」が法律(GCP)で義務づけられているからです。

同様に、文書にて「同意」が行われるのは、「口頭による同意」ではなく、「文書による同意」が法律(GCP)で義務づけられているからです。

→ 文書による説明と同意

→ 医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)

 
 

「同意説明文書」には、主に次のような内容が記述されています。

1)それが治験であることの説明

2)今回の治験の目的

3)治験の期間

4)治験の参加者数

5)治験責任医師は誰か?

6)治験の実施方法

7)治験薬の効果(薬理作用)

8)治験薬の副作用(リスク)

9)治験参加による利益(効果など)

10)治験参加による不利益
   (副作用、時間的・金銭的・体力的コスト、各種制約)

11)他に考えられる治療法の有無・内容

12)治験の安全性の確保対策

13)健康被害発生時の補償

14)疑問や健康被害発生時の連絡先

15)プライバシーの保護

16)本人意思により治験参加及び中止を決定できること

 
 

治験担当医師(治験分担医師)あるいは、治験コーディネーター(CRC)は、「同意説明文書」を用いて、記載されている個々の項目について、患者に対して丁寧に説明を行い、また、疑問に答えます。

これらの項目は、全て、「患者が臨床試験に参加するかどうかを決定するのに必要な要件」であると言えます。

治験に参加するに当たっては、「同意説明文書」に上記項目について記述されていることを確認し、内容について疑問点があれば、遠慮せず納得できるまで、治験担当医師(治験分担医師)及び治験コーディネーター(CRC)に尋ねて下さい。

そして、彼ら(彼女ら)には、治験参加候補者の疑問に答える義務があるのです。

また、その場で参加を決めかねる時や判断に迷う時は、「同意説明文書」を持ち帰って、家族や友人や主治医に相談してから、治験に参加するかどうか、最終的な判断をすることもできます。

自分の体なのですから、じっくり検討して下さい。

なお、治験参加に同意する場合は、「同意書」すなわち「同意説明書」(説明書と同意書を兼ねた文書)に署名することになります。

この「署名行為」が、「文書による同意(文書同意)」です。

なお、「同異説明文書」は「契約書」ではありませんので、本人の意思で、途中で治験を中止することができます

誤解されている方が意外と多いので、注意して下さい。

 
 

「説明」と「同意」では、時系列的観点から見れば、「説明」のほうが先です。

したがって、「同意説明書」という順番の名称なのは、腑に落ちません。

被験者の人権保護の観点から、「同意文書」という発想が先に生まれて、その後に、
「説明も文書でちゃんとしなくちゃね」
ということで、後付けで「説明」が加わったからなのでしょうか?

個人的には、「説明同意文書」という名称のほうが、良いような気がします。

 
 
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