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治験で投与するのは、開発中(未承認)の医薬品であり、副作用が発生する可能性がある、と説明すると不安になる方がいます。

それまでに、動物実験を繰り返しており、患者に投与する前には、健康な人(健常人)への試験も行って、人体の安全性は十分に確認しています。

もし、死に至るような重大な副作用の危険性があれば、とっくに中止になっているでしょう。

しかし、実際の患者に投与した場合については、健常人とは、副作用の出方が違ってきます。

患者に対しては、過去の臨床データが少ないため、「未知の副作用」(予期しない副作用)が発生する可能性は残っています。

既知の副作用」(起こりうることが既にわかっている副作用)なら防ぎようがまだありますが、「未知の副作用」は防ぎようがないからです。

とは言っても、承認され、既に医療機関で処方されている医薬品にも、副作用が発生する可能性はあります。

リスクのない薬はない」のです。

従って、治験の場合は、「副作用の発生リスクが多少高くなる」と理解するぐらいが適当だと言えるでしょう。

 
 
Q&A-13. 治験は安全か?副作用は出ないのか?
副作用
予測できない副作用
既知の副作用
薬物有害反応(ADR)
医薬品の投与と副作用
クスリとリスク
健常人(健常者)
 
 

治験では、被験薬に効果があることを調べるために、その比較対照集団として、治療効果のまったくない「プラセボ」という薬剤(薬理作用のない物質)を服用する集団が作られる場合があります。

治験に参加すると、この「プラセボ」を投与される集団に割り当てられることがあります。

もちろん、薬理効果がないので副作用もありませんが、治療も行われないということです。

プラセボ
 
 

治験は、1週間毎、2週間毎、4週間毎というように、治験ごとに定められた期間毎に治験実施医療機関に通院し、診察、各種検査(血液検査、尿検査など)を受けなければなりません。

仕事に就かれている方は、定期的に仕事を休まなければならないので、治験を受けることを決める際は、それを覚悟する必要があります。

また、通うことになる医療機関は、自宅から通える範囲となるのが普通ですが、近くに無い場合には、片道2時間以上もかけて、はるばる通う方もいるようです。

 
 

治験期間中は

● 決められた時刻に
● 決められた回数、
● 決められ量

の治験薬を服用しなければなりません。

もし、上記条件のうち、1つでも忘れたり間違ったりすれば、治験中止になる場合があります。

それだけ、治験における服薬条件は絶対なのです。

それぐらい厳しくしないと、もし治験参加者がそれぞれ別の服薬方法をしたら、後で、得られた臨床データをまとめて集計、統計解析する際に、不正確な結果しか得られないことになります。

これでは、治験を実施した意味がありません。

参加者全員が同じ条件で服薬することが、治験データの質を向上させ、治験結果の信頼性の向上につながるのです。

服薬遵守
(コンプライアンス)
服薬不遵守
(ノンコンプライアンス)
 
 

外来による治験参加の場合、自宅で正確に服薬をした証拠として、記録を付けてもらう場合があります。

また、症状の変化も克明に記載することを求められることもあります。

日記や記録をつけるのが苦手な方は、覚悟してください。

ちなみに、後でまとめて記載しても、記載の仕方でばれてしまうことが多いそうです。

面倒であっても服薬の度に記録するべきでしょう。

 
 

これは、臨床検査データをより正確に得るために、普段よりも丁寧に検査を行うからです。

同様に、診察も普段よりもじっくり時間をかけて診てもらえます。

● 自覚症状はどう変わったか?

● 気分は悪くないか?

● 副作用が起きていないか?

● 服薬条件を守っているか?

など、しつこいくらいに問診してくれます。

しかし、これは「デメリット」というよりも、
「メリット」であると思うべきでしょう。
普段なら、「3分間診療」ですから。。。

治験は、治験参加者にとっても、担当医師にとっても、大学病院の贅沢な医療機器を思う存分使える絶好の機会なのです。

 
 
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