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特定の医療機関(治験実施施設)と契約し、その施設に限定して治験業務を支援する機関(通常は企業)。

簡単に言えば、
治験施設支援機関」とは、
その名称の通り、
治験実施施設(医療機関等)の
 治験業務を支援する機関(企業等)
です。

医薬品開発業務受託機関(CRO)と異なり、医療機関(治験実施施設)側の立場で業務を行うのが特徴です。

「治験施設支援機関」は、長く言いづらいので、通常は「SMO」が使われます。

→ 医薬品開発業務受託機関(CRO)

SMOは、治験に関わる医師、看護婦、事務局の業務を支援することにより、スタッフの負担を軽減し、治験の品質・スピード向上を支援します。
 
 

治験(臨床試験)はGCPという厳しい基準に沿って行われます。

治験の過程で発生する様々な書類
(契約関係、カルテ、記録、症例報告書など)
について、しっかり整備・管理・保存することが求められます。

その煩雑かつ膨大な作業を、医師や看護婦が日常の診療の間に行うのは、ほとんど不可能です。

それをサポートするために、SMOが活用されます。

通常は、治験実施施設に設置された「治験事務局」にSMOが作業スタッフを派遣する形態をとります。

なお、業務受託という契約形態をとる場合もあります。

→ 治験事務局

 
 

GCPという法律によって、
患者の治験参加に際し、事前のインフォームドコンセントや同意説明に、十分時間をかけること、また、書面での説明と同意が義務づけられています。

その煩雑な作業を行うために、SMOは、依頼を受けて、看護または薬剤の知識を持った専用のスタッフを治験実施施設に派遣します。

それが、
治験コーディネーター
(Clinical Research Coordinator)
です。

長いので、通常は略して、「CRC」と呼びます。

なお、業務受託という契約形態をとる場合もあります。

→ 治験コーディネーター(CRC)

 
 

2002年11月に厚生労働省から発表された「SMOの利用に関する標準指針策定検討会」報告書で、SMOとCROは「相互に独立性を確保すべき立場である」とされました。

製薬企業もSMOとCROの組織明確化を強く要望しているということもあって、CROを母体とする多くのSMO企業が、経営幹部を親会社と重複させないように交代させました。

また、CROと同一企業である場合は、別会社化あるいは独立組織とするといった措置を行いました。

 
 

(2005年現在)
アメリカでは、すでにSMOが数10社あるそうです。

日本でもある程度の規模を持つSMOは、10数社存在し、規模の小さいものを含めれば、 さらに多くのSMOがあるようです。

また、一口にSMOと言っても、業務内容によって広範囲にわたるため、医療機関の治験を支援するという広い意味でとらえると、
日本国内で既に200社近くあるという報告があります。

 
 
SMOが加入する団体には、
「日本SMO協会」と
「エスエムオーネットワーク協同組合」
があります。

「日本SMO協会」は、
大手CRO系列のSMOを中心に
「SMO業務の信頼性確保」を目的に、
2003年4月3日に結成されました。

2020年4月現在、業界の主要企業を中心に、約25社のSMOが加盟しています。

結成当時は45社だったので、SMO業界の合併・吸収がいかに進んだかの現れでしょう。

http://jasmo.org/

なお、従来の第T相試験の受託施設及び受託機関を、中心として構成されていた「臨床試験受託事業協会SMO部会」は、日本SMO協会に合流し、発展的に解消しました。

「エスエムオーネットワーク協同組合」も、治験事務局業務及びCRCの派遣業務を受託する企業(SMO)によって構成されています。

しかし、設立の目的が共同受注にあり、その点において、「日本SMO協会」と趣旨が大きく異なります。

協同組合という法人格を持つことによって、各社が協力して共同受注やCRC教育・育成などに取り組むことで、治験の質向上とスピードアップを図り、製薬企業のニーズに応えていきたいとしています。

https://www.smona.ne.jp/

 
 
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