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ごく微量の化合物をヒトに単回投与することにより、新薬候補化合物から最適化合物をスクリーニングするために実施する試験。

マイクロドーズ臨床試験」あるいは、
略して「MD試験」と呼んだりします。

MD試験の目的は、化合物のスクリーニングですが、ヒトを対象とするため、安全性や倫理面の問題などにより、かつては国内での実施が認められていませんでした。

というのも、

体内の薬物量を測定する標識として、超微量の「放射性同位元素」を用いるからです。

→ マスバランス試験

日本人には、広島・長崎の原爆や原発事故のため、「放射性物質」に対する強いアレルギー(嫌悪感)があるので、なかなか一般人からの理解が得られません。

しかし、
PET(陽電子放射断層撮影法:
   
Positron Emission Tomography )
AMS(加速器質量分析法:
   
Accelerator Mass Spectrometry)
といった、
新技術が開発されたことにより、
法律上、放射性同位元素(RI)と認められない程度の量の超微量化合物を測定することが可能になりました。

慎重な検討が行われ、日本では、2012年にようやく初めて「マイクロドーズ試験」が実施されました。

 
 

@ 候補化合物を「ポジトロン核種」で標識化する。(通常)

※ポジトロン核種
 =ポジトロン(陽子)を放出する元素

※ポジトロン核種で標識化しない化合物を用いる場合もある。

A 投与後体内に局在する化合物の検出には、PET(陽電子放射断層撮影法)を使用する。

B 血中薬物濃度の測定には、AMS(加速器質量分析法)を使用する。

 
 

MD試験が普及すれば、次のような医薬品開発上のメリットがあります。

@ 非臨床試験段階から臨床試験段階への移行がスムーズになり、開発スピードが向上する。

A 医薬品の開発リスクが低下する。

B 医薬品の開発費用の低減及び開発効率が向上する。

 
 
マスバランス試験
(MB試験)
PET(陽電子放射断層撮影法)
薬物動態試験(PK試験)
薬物動態学(PK、薬動力学)
血中濃度
最高血中濃度(Cmax)
最高血中濃度到達時間
(Tmax)
半減期(t1/2)
血中濃度曲線下面積
(AUC)
単回投与試験
 
 
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