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ヒトの体内における薬物の「物質収支
(投与された薬物が体内でどのように吸収され、代謝・排泄されるか)
を把握するために実施する試験。

略して、「MB試験」とも言います。

マスバランス試験により、血中濃度(吸収)や組織分布、代謝・排泄に関する情報や未知の代謝物や排泄経路、残留性の有無などの情報を得ることができます。

異なった人種の結果と比較すれば、人種差の有無に関する情報を得ることができ、動物実験の結果と比較すれば、種差の有無に関する情報を得ることができます。

※参考:加速器分析研究所のWEBサイト

「マスバランス試験」では、ごく微量の放射性同位元素を標識として使用します。

したがって、「マイクロドーズ試験」の一種と言えるでしょう。

→ マイクロドーズ試験

 
 

「本邦における放射性同位元素を使用したヒトマスバランス試験の現状と課題点に関するアンケート調査結果報告」
(長谷川博司、他著)より。
臨床薬理 2015; 46(6):265-272

ヒトに放射性同位元素(通常は14C)で標識した臨床投与量の化合物を投与するマスバランス試験は、投与量に対する尿および糞中への排出率と代謝物を含めた薬物全体の曝露量を確認すると同時に、放射能を指標に網羅的な代謝物の検索が可能となることから、医薬品開発において、ヒトの薬物動態を明らかにするには欠かせない試験となっている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/
jscpt/46/6/46_265/_pdf

 
 

試験名の由来の「マスバランス」(Mass Balance)とは、日本語では「物質収支」のことです。

「物質収支」とは、ある化学反応の系において、その系に投入した物質の量と系から得られた物質の量との収支を表す指標。

化学工学では次のような物質収支式で評価されます。

蓄積量の時間変化
=流入量−流出量+生成量−消滅量

 
 
マイクロドーズ試験
(MD試験)
PET(陽電子放射断層撮影法)
薬物動態試験(PK試験)
薬物動態学(PK、薬動力学)
血中濃度
最高血中濃度(Cmax)
最高血中濃度到達時間
(Tmax)
半減期(t1/2)
血中濃度曲線下面積
(AUC)
単回投与試験
 
 
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