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新規の医薬品の世界規模での開発及び承認を目指して企画される治験であって、
一つの治験に複数の国や地域の医療機関が参加し、共通の治験実施計画書に基づき、同時並行的に進行するもの。
(GCPの運用通知2011.10.24より)

評価項目、対象患者の主な背景、適応症など、治験を実施するに当たって中心となる部分を共通にした上で、日米欧、世界各地において同時に実施する治験(臨床試験)をいいます。

グローバルスタディ」、
世界同時治験

と呼ぶ場合もあります。

また、治験だけでなく、「世界同時開発」全体を指す場合もあります。

日米欧の試験により、ひとつのクリニカル・データ・パッケージを構成し、これをパッケージとして、日米欧の各当局に申請する形式を採用しています。

これまでは、海外で実施された治験データを活用する、ブリッジングスタディが促進されて来ました。

しかし、今後は、世界で同時に治験を実施し新薬開発することにより、世界中における新薬の上市時期を早めて、売り上げを最大化することが、世界戦略上不可欠とされています。

 
 
国際共同治験(グローバルスタディ)には、
上市時期を早めるだけでなく、次のようなメリットがあります。

@ 世界同時開発・申請・承認が可能になる。

【製薬企業のメリット】

世界各国での販売時期がそろい、本来なら販売時期が遅い国でも、通常より早く販売されることになるので、その分だけ、売上げ向上につながる。

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【患者のメリット】

ドラッグ・ラグが無くなる。

本来なら販売時期が遅い国でも、新薬による治療開始時期が早まるので、治療効果が高まる。

治療機会の喪失を防げる。

→ ドラッグ・ラグ

A 単独で実施するよりも、各国で必要な被験者数が少なくなるので、治験を短期間で終了できる。

【製薬企業のメリット】

世界各国での販売時期が早まるので、ライバル会社を出し抜き、売上げ向上につながる。

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【患者のメリット】

新薬による治療開始時期が早まるので、治療効果が高まる。

治療機会の喪失を防げる。

B 有効性、安全性における民族間の差があるかどうかを、ブリッジングスタディよりも明瞭に把握できる。

また、一斉に様々な人種のデータを集められる。

C 症例数(データ量)が多くなるので、稀な(発生頻度の低い)副作用も発見しやすい。
D 症例数(データ量)が多くなるので、副作用の頻度や重症度などの正確な数字が分かる。
E バラエティに富んだ様々な背景集団の人が加わることで、臨床で遭遇する多様なケースのリスクとベネフィットをあらかじめ見積もることができる。
F 特定の人種のデータが欲しい場合、その人種のいる複数の国の中から、人件費その他コストの一番安い国を選んで、治験を実施することにより、治験コストを抑えることができる。
 
 
国際共同治験(グローバルスタディ)を実施する上で、次のような課題が挙げられます。

@ 民族、習慣の差を考慮して、用量設定、用法設定を行なう必要がある。

● 体格差

● 遺伝子レベルの違い

● 標準療法、医療習慣

● 食生活、生活習慣 

A 試験実施中や発売後に重篤な副作用が発生した場合の対応を、あらかじめ決めておく必要がある。
 
 

大規模臨床試験や症例が集まりにくい試験など、日本国内だけでは症例数が足りない場合に、人種差の比較的少ないアジア各国との国際共同治験が有効と考えられています。

もちろん、候補物質によっては、同じアジア人でも代謝が異なる場合はあります。

しかし、それほどの差が見られない場合は、多くの症例数を集めることによって、データの信頼性を高めることは、非常に有用であると考えられます。

また、中国、韓国などアジアでは、日本よりも比較的安く治験を実施できるので、コスト面からも魅力的とされています。

加えて、同時開発によって治験のスピードアップ、上市時期の前倒しが期待できます。

 
 
ドラッグ・ラグ
ブリッジングスタディ
ブリッジングデータパッケージ
完全な臨床データパッケージ
 
 
「外国で実施された医薬品の臨床試験データの受け入れに関する通知・資料」
(1998年8月11日)
【工事中】
 
 
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