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マスメディア(新聞、テレビ等)を活用した、効率的に被験者を募集するための広告

1997年に新GCPが施行されて以来、治験の実施基準が厳しくなったため、被験者の確保が難しくなりました。

また過去には、治験データの捏造や書き換えなど、製薬企業と医療機関(医師)による不正な事件が頻発していたため、一般の人々から治験について誤解されて協力率(参加率)が低下したことも、被験者を集めにくくなった原因でした。

被験者が集まらなければ、治験は進まず、効果的な新薬・治療法が世に出るのも遅れます。

製薬企業としては、他社に先駆けて少しでも早く治験を終えて新薬を発売したい。

厚生省(現厚生労働省)としては、治験が進まないことによって、日本(国内製薬企業)の新薬開発力が低下し、欧米の製薬企業に差をつけられるのは、国策として絶対に避けたい。

患者も、効果的な新薬を待ち望んでいるはずだ。

製薬企業と厚生省(現厚生労働省)の思惑が一致した結果、厚生省(現厚生労働省)は、「治験を円滑に推進するための検討会」を設け、そこで治験推進のための方策を取りまとました。

それをもとに、ようやく「被験者募集広告」が認可(解禁)されたのです。

 
 

2000年1月からの規制緩和によって、多くの治験広告が頻繁に出稿されるようになり、主に、その媒体としては、新聞が多く使われました。

新聞は、日本中のほとんどの家庭で配達され、患者を含む多くの人々に同時かつ平等に、治験に関する情報を伝えることができる点で、最高のメディアだと言えるでしょう。

新聞は、公共性のある媒体として、最も信頼されており、記事も詳しく載せることができ、読む側も治験の内容についてじっくり時間をかけて読むことができます。

特に、新聞を時間をかけてじっくり読む傾向が強い高齢者、中高年こそ、製薬企業が開発しようとしている医薬品の最大のユーザー(お得意様)となるべき年代なのです。

当然、治験の被験者として、中心ターゲットになります。

被験者募集広告、DTC広告に代表される、
医療情報の提供に際して、新聞広告が盛んに活用されるようになったのは、これらの新聞の特性を十分に踏まえた結果と言えるでしょう。

★以上は、まだ、スマホやタブレットがまだなかった時代のこと。

令和になった今や、お年寄りでもスマホやタブレットを持っています。

スマホやタブレットの性能は、情報収集に関してならパソコンとあまり変わりません。

スマホやタブレットの性能は、情報収集に関してなら、パソコンとあまり変わりません。 それどころか、持ち歩けるので、いつでもどこででも情報をチェックできます。

文字サイズを自由に拡大縮小できるスマホやタブレットは、もはや新聞に代わるうる便利な情報ツールです。

また、会社の業務でパソコンに親しんだ世代が、今や50代、60代に。

パソコンだけでなく、スマホ、タブレットを使いこなせる中高年というのは、ある意味「奇跡」です。

若者は元々新聞をとりませんでしたが、今では中高年でも新聞をとらない世帯が増えているとのこと。

募集する側としては、ネット広告のほうが新聞広告より安価で済むこと、長期的に掲載できることから、被験者募集広告の主流はインターネットに移りつつあります。

 
 

一面広告あるいは半面広告を数社の新聞社に掲載したら、それこそ最低でも数千万円単位の出費になります。

また、人数は一気に集まるかもしれませんが、大がかりなコールセンターの設置が必要になるなど、さらなる出費が発生。
コスト的に馬鹿になりません。

「新聞広告だと、地域限定で募集しやすい」と言われますが、新聞の中にはさむ「チラシ広告」でも同様のことができます。

よほど期待感があってお金を投入できる治験でもない限り、コスパ的に新聞はやはり使いにくいでしょう。

 
 

実は、医療機関内に貼り出す募集広告がコスパ的に一番効果的だとよく聞きます。

自分が通っている所なので、信頼感、安心感が増すからでしょう。

 
 
治験広告
疾患啓蒙広告
治験の空洞化
情報の非対称性
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被験者
 
 
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