医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医薬品GCP)

 治験依頼者は、次に掲げる治験に関する記録(文書及びデータを含む。)を被験薬に係る医薬品についての製造販売の承認を受ける日(第24条第3項の規定により通知したときは、通知した日後3年を経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存しなければならない。

1)治験実施計画書、契約書、総括報告書その他この省令の規定により治験依頼者が作成した文書又はその写し

2)症例報告書、第32条第6項の規定により通知された文書その他この省令の規定により実施医療機関の長又は治験責任医師等から入手した記録

3)モニタリング、監査その他の治験の依頼及び管理に係る業務の記録(前2号及び第5号に掲げるものを除く。)

4)治験を行うことにより得られたデータ

5)第16条第5項の記録

2 本邦内に住所を有しない治験依頼者は、治験国内管理人に第16条第5項の記録を前項に定める期間保存させなければならない。
 
 

1 治験依頼者は、本条の規定により、第1項各号に掲げる治験に関する記録を当該被験薬に係る医薬品の製造販売承認日(第24条第3項の規定により、開発を中止した又は臨床試験の試験成績に関する資料が申請書に添付されないことを決定した旨の通知をした日から3年が経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存すること。

また、被験薬に係る医薬品が承認を受けた場合には、施行規則第101条の規定により、承認取得者は承認を受けた日から5年間(再審査に係るものであって、再審査が終了するまでの期間が承認を受けた日から5年を超えるものにあっては再審査が終了するまでの期間)適切に保存すること。

したがって、治験依頼者は、次の(1)又は(2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存すること。

(1)当該被験薬に係る医薬品の製造販売承認日から5年が経過した日(開発が中止された場合には開発中止が決定された日から3年が経過した日)。

ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)の規定により承認後の再審査を受けなければならない医薬品で、かつ再審査が終了するまでの期間が5年を超えるものについては、再審査が終了する日。

(2)治験の中止又は終了後3年が経過した日

2 本条の「記録」には、磁気媒体等に記録されたデータを含むこと。

データを適切に保存するためには、セキュリティシステムの保持、データのバックアップの実施等が必要であること。

3 治験依頼者は、データの処理に電子データ処理システム(遠隔操作電子データシステムを含む。)を用いる場合には、次の事項を実施すること。

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(1)電子データ処理システムが、完全性、正確性、信頼性及び意図された性能についての治験依頼者の要件を満たしていることを保証し、文書化すること(すなわちバリデーションされること)。

なお、その際には、システムの用途並びにシステムが被験者保護及び治験結果の信頼性に影響を与える可能性を考慮したリスク評価に基づいて行うこと。

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(2)当該システムを使用するための手順書を整備すること。

当該手順書の対象範囲にはシステムのセットアップ、インストール及び使用方法を含むものとする。

当該手順書には、システムバリデーション及び機能テスト、データの収集及び取扱い、システムの維持管理、システムの安全対策、変更管理、データのバックアップ、修復、危機管理計画並びにシステムの廃棄について記載すべきである。

これらの電子データ処理システムの使用に関する治験依頼者、治験責任医師その他の当事者の責務を明確に示し、使用者に対し、システムの使用に関する教育・訓練を提供すべきである。

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(3)当該システムが、入力済みのデータを消去することなしに修正が可能で、データ修正の記録をデータ入力者及び修正者が識別されるログとして残せる(すなわち監査証跡、データ入力証跡、修正証跡が残る)ようにデザインされていることを保証すること。

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(4)データのセキュリティシステムを保持すること。

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(5)データのバックアップを適切に行うこと。

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(6)データの修正を行う権限を与えられた者の名簿を作成し、管理すること。

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(7)データの背景、内容及び構成を説明する全てのデータを含め、データの完全性を保証すること。

この点は、ソフトウェアのアップグレード又はデータの移行等、電子データ処理システムを変更する場合に、特に重要である。

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(8)盲検化が行われている場合には、盲検性が保持されるようにすること。

4 治験依頼者は、処理中にデータの変換を行う場合には、処理前のデータと処理後のデータを常に対比し得ることを保証すること。

5 治験依頼者は、各被験者について報告された全てのデータの識別を可能にする明確な被験者識別コードを用いること。

 
 

1 本邦内に住所を有しない治験依頼者は、治験国内管理人に治験薬の製造や安定性等の品質等に関する第16条第5項に規定する記録を保存させること。

2 治験国内管理人は、治験使用薬による保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止に必要な措置を採らせるため、治験の依頼をしようとする者に代わって治験の依頼を行うことのできる者である(第15条参照)趣旨に鑑み、第1項第1号から第4号までの記録又はその写しを適切に保存すること。

 
 
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