医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医薬品GCP)

 自ら治験を実施しようとする者は、あらかじめ、次に掲げる文書を実施医療機関の長に提出し、治験の実施の承認を得なければならない。

1)治験実施計画書(第15条の4第4項の規定により改訂されたものを含む。)

2)治験薬概要書(第15条の5第2項の規定により改訂されたものを含む。)及び治験使用薬(被験薬を除く。)に係る科学的知見を記載した文書

3)症例報告書の見本

4)説明文書

5)モニタリングに関する手順書

6)監査に関する計画書及び業務に関する手順書

7)治験分担医師となるべき者の氏名を記載した文書

8)治験使用薬の管理に関する事項を記載した文書

9)この省令の規定により自ら治験を実施する者及び実施医療機関に従事する者が行う通知に関する事項を記載した文書

10)治験の費用に関する事項を記載した文書

11)被験者の健康被害の補償に関する事項を記載した文書

12)実施医療機関が自ら治験を実施する者の求めに応じて第41条第2項各号に掲げる記録(文書を含む。)を閲覧に供する旨を記載した文書

13)実施医療機関がこの省令又は治験実施計画書に違反することにより適正な治験に支障を及ぼしたと認める場合(第46条に規定する場合を除く。)には、自ら治験を実施する者は治験を中止することができる旨を記載した文書

14)その他治験が適正かつ円滑に行われることを確保するために必要な事項を記載した文書

 
 

1 自ら治験を実施しようとする者(治験責任医師となるべき医師又は歯科医師に限る。

以下この条において同じ。)は、あらかじめ(法第80条の2第2項の規定に基づき治験の計画を届け出る場合にあっては、届け出る前に)、各号に規定する最新の文書を実施医療機関の長に提出し、治験の実施について承認を得ること。

2 実施医療機関において実施医療機関の長の承認を得る過程で、第30条に規定するとおり、当該実施医療機関において治験を行うことの適否について治験審査委員会の意見を聴くこと。

3 第3号の「症例報告書の見本」については、第10条第1項の解説1の(3)を参照すること。

4 第4号の「説明文書」は、同意文書と一体化した文書又は一式の文書として取り扱うこと(第2条の解説18(1)のA及びBを参照)。

5 第5号の「モニタリングに関する手順書」とは、モニタリングが適切に行われること
を保証するため、自ら治験を実施する者が作成する手順書をいう。その内容には、モニターを選定するための手続き(モニターの要件を含む。)、モニタリングの具体的な方法(モニタリング計画書で示すことも可能。)、モニタリング報告書の取扱い等が含まれていること。

※これらの事項に係る記録をいう。

6 第6号の「監査に関する計画書及び業務に関する手順書」とは、監査が適切に行われることを保証するために自ら治験を実施する者が作成する計画書及び手順書であり、その内容には、監査担当者を選定するための手続き(監査担当者の要件を含む。)、監査の具体的な方法、監査報告書・監査証明書の取扱い等が含まれていること。

※これらの事項に係る記録をいう。

7 モニタリング、監査が中立かつ公平に実施されることが確保されるべきである。

8 自ら治験を実施しようとする者は、治験分担医師の氏名リスト(求めがあった場合には治験分担医師の履歴書)を実施医療機関の長に提出すること(第7号)。

注)治験責任医師となるべき者の履歴書も実施医療機関の長に提出すること。

9 第8号の「治験使用薬の管理に関する事項」には、実施医療機関の長の指名した治験薬管理者が、第26条の2第6項の規定により提供された手順書に従って治験使用薬を適切に管理する旨を含むこと。
10 第9号の趣旨は、本基準中(第26条の6第2項、第26条の10第2項及び第3項、第32条第7項、第40条第1項から第4項まで、第45条第2項及び第4項並びに第48条第3項)に規定する通知が、適切な時期に適切な方法で行われなければならない旨である。
11 第10号の「治験の費用に関する事項」とは、被験者への支払い(支払いがある場合)に関する資料をいう(第32条第1項及び第2項の解説11を参照)。
12 第11号の「補償」については、第15条の9に規定する措置等について記載すること。

13 第12号の「記録を閲覧に供する旨」とは、実施医療機関がモニター又は監査担当者に対して第41条第2項各号に掲げる記録を直接閲覧させるための規定があらかじめ整備されており、治験が承認・実施された場合にはかかる規定に従って直接閲覧が行われることである。

また、実施医療機関は、自ら治験を実施する者が行う治験の成績が承認申請資料として使用された際に法第14条第6項後段及び法第80条の2第7項の規定による調査等の対象となり、これらの調査に供する必要があることについても理解する必要がある。

14 本条各号に規定する文書は、必ずしも個別の作成を求めるものではなく、記載すべき内容が確認できる場合にあっては、複数の文書を1つにまとめることが可能である。
 
 
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