医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 (医薬品GCP) |
第二章 治験の準備に関する基準 |
第二節 自ら治験を実施しようとする者による治験の準備に関する基準 |
第15条の5 治験薬概要書 |
自ら治験を実施しようとする者は、第15条の3の試験により得られた資料並びに被験薬の品質、有効性及び安全性に関する情報に基づいて、次に掲げる事項を記載した治験薬概要書を作成しなければならない。 1)被験薬の化学名又は識別記号 2)品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項 3)臨床試験が実施されている場合にあっては、その試験成績に関する事項 |
2 自ら治験を実施しようとする者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、前項の治験薬概要書を改訂しなければならない。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第1項〉 |
1 自ら治験を実施しようとする者は、治験分担医師及びその他治験に関与する者が、治験実施計画書の主要項目(投与量、投与回数・間隔、投与方法及び被験者の安全性を監視するための手順等)の合理的根拠を理解し、かつそれを遵守するための情報を提供するために、治験薬概要書を作成すること。 また、治験薬概要書は、治験実施期間中の被験者の臨床上の管理に必要な知識も提供するものであること。 治験薬提供者から治験薬概要書の提供を受ける場合については、自ら治験を実施する者は、その内容を確認すること。 |
2 自ら治験を実施しようとする者は、治験薬に係る品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報を治験薬提供者からも収集し、その情報について検討し、治験薬概要書の作成に利用すること。 |
3 自ら治験を実施しようとする者は、治験薬提供者が行う治験薬に係る品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報の収集に協力すること。 |
4 治験薬概要書に記載されるデータは、簡潔、客観的、公平な形で作成されるものであること。 |
5 治験薬概要書に記載すべき情報の種類や範囲は、被験薬の治験の段階に応じた適当なものであること。 被験薬が市販され、その薬理学的性質が一般の医師に広く理解されている場合には、広範な情報を掲載した概要書は必要ない場合もありうる。 |
6 自ら治験を実施しようとする者は、治験の実施に必要な非臨床試験及び臨床試験の成績をまとめた治験薬概要書を手順書に従って作成すること。 |
7 第2号の「品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項」とは、被験薬の物理的、化学的及び製剤学的性質、製剤組成、薬理、毒性、薬物動態、薬物代謝に関連する非臨床試験の成績を指す。 なお、自ら治験を実施する者は、必要な資料又は情報の提供について、治験薬提供者と協議し、契約を締結する等必要な措置を講じ、その実行を担保すること。 |
8 治験薬概要書に通常含まれているべき具体的事項については、中央薬事審議会答申の11を参照すること(第7条第1項の解説2注1参照)。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第2項〉 |
1 自ら治験を実施しようとする者は、新たな情報が得られた場合等には、手順書に従って治験薬概要書を改訂すること。 |
2 自ら治験を実施しようとする者は、新たな重要な情報が得られた場合には、治験薬概要書の改訂に先立って、実施医療機関の長及び規制当局にこれらの情報を報告すること。 |
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