医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医薬品GCP)

 治験の依頼をしようとする者は、第5条の試験により得られた資料並びに被験薬
の品質、有効性及び安全性に関する情報に基づいて、次に掲げる事項を記載した治験薬概要書を作成しなければならない。

1)被験薬の化学名又は識別記号

2)品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項

3)臨床試験が実施されている場合にあっては、その試験成績に関する事項

2 治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、前項の治験薬概要書を改訂しなければならない。
 
 

1 治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師及びその他治験に関与する者が、治験実施計画書の主要項目(投与量、投与回数・間隔、投与方法及び被験者の安全性を監視するための手順等)の合理的根拠を理解し、かつそれを遵守するための情報を提供するために、治験薬概要書を作成すること。

また、治験薬概要書は、治験実施期間中の被験者の臨床上の管理に必要な知識も提供するものであること。

2 治験薬概要書に記載されるデータは、簡潔、客観的、公平かつ販売促進に関わりのないものであること。

3 治験の依頼をしようとする者は、治験薬概要書の編集に当たり、一般的には医師を参加させることが望ましい。

4 治験薬概要書に記載すべき情報の種類や範囲は、被験薬の開発段階に応じた適当なものであること。

被験薬が市販され、その薬理学的性質が一般の医師に広く理解されている場合には、広範な情報を掲載した概要書は必要ない場合もありうる。

5 治験の依頼をしようとする者は、治験の実施に必要な非臨床試験及び臨床試験の成績をまとめた治験薬概要書を手順書に従って作成すること。
6 第2号の「品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項」とは、被験薬の物理的、化学的及び製剤学的性質、製剤組成、薬理、毒性、薬物動態、薬物代謝に関連する非臨床試験の成績を指す。
7 治験薬概要書に通常含まれているべき具体的事項については、中央薬事審議会答申の11を参照すること(第7条第1項の解説2注1参照)。

8 治験の依頼をしようとする者が、複数の被験薬を用いる治験を実施する場合で、自らが製造販売する予定の被験薬と併用するものの、他社が製造販売している等の理由で、治験薬概要書を準備出来ない場合は、本邦で既承認の有効成分であり、治験の依頼をしようとする者が当該被験薬を治験に用いるにあたり被験薬の安全性を担保出来ると考える場合に限り、当該被験薬の治験薬概要書に代わり、当該被験薬の最新の科学的知見を記載した文書(添付文書、インタビューフォーム、学術論文等。

添付文書及びインタビューフォームは両方添付されることが望ましい。)とすることで差し支えない。

 
 

1 治験の依頼をしようとする者は、新たな情報が得られた場合等には、手順書に従って治験薬概要書を改訂すること。

2 治験の依頼をしようとする者は、新たな重要な情報が得られた場合には、治験薬概要書の改訂に先立って、治験責任医師、実施医療機関の長及び規制当局にこれらの情報を報告すること。

3 治験の依頼をしようとする者は、開発段階に応じて、また被験薬に関連する新たな情報が国内外から得られた場合等には、手順書に従って少なくとも年に1回治験薬概要書を見直し、必要に応じて改訂すること。

 
 
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