医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医療機器GCP)

 治験依頼者は、次に掲げる治験に関する記録(文書及びデータを含む。)を被験機器に係る医療機器についての製造販売の承認を受ける日(第三十二条第三項の規定により通知したときは、通知した日後三年を経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後三年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存しなければならない。

一 治験実施計画書、契約書、総括報告書その他この省令の規定により治験依頼者が作成した文書又はその写し

二 症例報告書、第五十一条第六項の規定により通知された文書その他この省令の規定により実施医療機関の長又は治験責任医師等から入手した記録

三 モニタリング、監査その他の治験の依頼及び管理に係る業務の記録(前二号及び第五号に掲げるものを除く。)

四 治験を行うことにより得られたデータ

五 第二十四条第五項の記録

2 本邦内に住所を有しない治験依頼者は、治験国内管理人に第二十四条第五項の記録を前項に定める期間保存させなければならない。
 
 

1 治験依頼者は、本条の規定により、第1項各号に掲げる治験に関する記録を被験機器に係る医療機器の製造販売承認日(第32条第3項の規定により、開発を中止した又は臨床試験の試験成績に関する資料が申請書に添付されないことを決定した旨の通知をした日から3年が経過した日)又は治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存すること。

また、被験機器に係る医療機器が承認を受けた場合には、施行規則第114条の71の規定により、承認取得者は承認を受けた日から5年間(使用成績評価に係るものであって、使用成績評価が終了するまでの期間が承認を受けた日から5年を超えるものにあっては使用成績評価が終了するまでの期間)適切に保存すること。

従って、治験依頼者は、次の1)又は2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存すること。

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1)当該被験機器に係る製造販売承認日から5年が経過した日(開発が中止された場合には開発中止が決定された日から3年が経過した日)。

ただし、法の規定により承認後の使用成績評価を受けなければならない医療機器で、かつ使用成績評価が終了するまでの期間が5年を超えるものについては、使用成績評価が終了する日。

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2)治験の中止又は終了後3年が経過した日

2 本条の「記録」には、磁気媒体等に記録されたデータを含むこと。

データを適切に保存するためには、セキュリティシステムの保持、データのバックアップの実施等が必要であること。

3 治験依頼者は、データの処理に電子データ処理システム(遠隔操作電子データシステムを含む。)を用いる場合には、次の事項を実施すること。

1)電子データ処理システムが、完全性、正確性、信頼性及び意図された性能についての治験依頼者の要件を満たしていることを保証し、文書化すること(すなわちバリデーションされること)。

2)当該システムを使用するための手順書を整備すること。

3)当該システムが、入力済みのデータを消去することなしに修正が可能で、データ修正の記録をデータ入力者及び修正者が識別されるログとして残せる(すなわち監査証跡、データ入力証跡、修正証跡が残る)ようにデザインされていることを保証すること。

4)データのセキュリティ・システムを保持すること。

5)データのバックアップを適切に行うこと。

6)データの修正を行う権限を与えられた者の名簿を作成し、管理すること。

7)盲検化が行われている場合には、盲検性が保持されるようにすること。

4 治験依頼者は、処理中にデータの変換を行う場合には、処理前のデータと処理後のデータを常に対比し得ることを保証すること。

5 治験依頼者は、各被験者について報告された全てのデータの識別を可能にする明確な被験者識別コードを用いること。
 
 

1 本邦内に住所を有しない治験依頼者は、治験国内管理人に治験機器の製造や安定性等の品質などに関する第24条第5項に規定する記録を保存させること。

2 治験国内管理人は、治験使用機器による保健衛生上の危害の発生又は拡大の防止に必要な措置を採らせるため、治験の依頼をしようとする者に代わって治験の依頼を行うことのできる者である(第15条参照)趣旨に鑑み、第1項第1号から第4号までの記録又はその写しを適切に保存すること。

 
 
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