医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医薬品GCP)

 治験責任医師等は、被験者となるべき者を治験に参加させるときは、あらかじめ治験の内容その他の治験に関する事項について当該者の理解を得るよう、文書により適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。

2 被験者となるべき者が同意の能力を欠くこと等により同意を得ることが困難であるときは、前項の規定にかかわらず、被験者となるべき者の代諾者の同意を得ることにより、当該被験者となるべき者を治験に参加させることができる。
3 治験責任医師等は、前項の規定により被験者となるべき者の代諾者となるべき者の同意を得た場合には、代諾者の同意に関する記録及び代諾者と被験者との関係についての記録を作成しなければならない。

4 治験責任医師等は、当該被験者に対して治験薬の効果を有しないと予測される治験においては、第2項の規定にかかわらず、同意を得ることが困難な被験者となるべき者を治験に参加させてはならない。

ただし、第7条第2項又は第15条の4第2項に規定する場合は、この限りではない。

5 治験責任医師等は、説明文書の内容その他治験に関する事項について、被験者となるべき者(被験者となるべき者の代諾者の同意を得る場合にあっては、当該者。次条から第53条までにおいて同じ。)に質問をする機会を与え、かつ、当該質問に十分に答えなければならない。
 
 

1 治験責任医師等は、被験者となるべき者が治験に参加する前に、被験者となるべき者に対して第51条第1項各号に掲げる事項を記載した説明文書を用いて十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得ること。

 
 

1 同意の能力を欠く等により被験者となるべき者の同意を得ることは困難であるが、当該治験の目的上それらの被験者を対象とした治験を実施することがやむを得ない場合
(例:未成年者や重度の認知症患者を対象とする場合)
には、治験責任医師等は、代諾者となるべき者に対して第51条第1項各号に掲げる事項を記載した説明文書を用いて十分説明し、治験への参加について文書による同意を得ること。

この場合、同意に関する記録とともに代諾者と被験者との関係を示す記録を残すこと。

2 この場合にあっても、治験責任医師等は、被験者となるべき者の理解力に応じて説明を行い、可能であれば被験者となるべき者からも同意文書への記名押印又は署名と日付の記入を得ること。

小児を被験者とする治験の場合は、
「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスについて」
(平成12年12月15日付け医薬審第1334号厚生省医薬安全局審査管理課長通知)、
「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスに関する質疑応答集(Q&A)について」
(平成13年6月22日付け厚生労働省医薬局審査管理課事務連絡)
を参照すること。

3 第2項では、第1項の例外として、本人でなく代諾者の同意により被験者となるべき者を治験に参加させることができる旨規定しているが、この場合における同意取得の過程については、同意者が代諾者であること以外は第1項の規定によること
(代諾者の同意は第2項に基づくが、その場合代諾者に対して文書により説明を行うこと及び代諾者から文書による同意を得るべきことの根拠は第1項となる。)。
 
 

1 次の2に掲げる場合を除き、被験者に対する直接の臨床的利益が予測されない非治療的な内容の治験においては、必ず被験者となるべき者から同意を得ること。

2 非治療的な内容の治験において、次の(1)から(4)に掲げる事項が全て満たされる場合には、被験者となるべき者の代諾者による同意を得て治験を行うことができる。

このような治験は、例外が正当化される場合を除き、被験薬の適応となることが意図された疾病又は症状を有する患者において行われるべきである。

また、治験責任医師等は、このような治験における被験者に対しては、特に綿密な観察を行い、もし不当な苦痛を受けていると見受けられた場合には、治験を中止すること。

(1)治験の目的が、本人による同意が可能な被験者による治験では達成されないこと。

(2)被験者に対する予見しうる危険性が低いこと。

(3)被験者の福祉に対する悪影響が最小限とされ、かつ低いこと。

(4)代諾者となるべき者の同意に基づいて被験者を治験に組み入れる旨を明示した上で治験審査委員会に承認の申請がなされ、かかる被験者の参加を承認する旨が承認文書に記載されていること。

3 治験責任医師は、あらかじめ、第7条第2項の規定に従ってその旨が明記された治験実施計画書が治験審査委員会において審査された上で治験が承認され、当該治験審査委員会の承認文書上に同意を得ることが困難な者を被験者とすることを認める旨が記載されていることを確認しておくこと。

なお、自ら治験を実施する者による治験の場合には、第15条の4第2項の規定に従うこと。

 
 

1 治験責任医師等は、同意を得る前に、被験者となるべき者(被験者となるべき者の代諾者の同意を得る場合にあっては、当該者)が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えること。

その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足説明者としての治験協力者は、全ての質問に対して被験者となるべき者(被験者となるべき者の代諾者の同意を得る場合にあっては、当該者)が満足するように答えること。

 
 
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