医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 (医薬品GCP) |
第三章 治験の管理に関する基準 |
第二節 自ら治験を実施する者による治験の管理に関する基準 |
第26条の12 記録の保存等 |
自ら治験を実施する者は、次に掲げる治験に関する記録(文書及びデータを含む。)を、 1)治験実施計画書、承認書、総括報告書その他この省令の規定により自ら治験を実施する者が作成した文書又はその写し 2)症例報告書、第32条第7項の規定により通知された文書その他この省令の規定により実施医療機関の長又は治験分担医師から入手した記録 3)モニタリング、監査その他の治験の実施の基準及び管理に係る業務の記録(前2号及び第5号に掲げるものを除く。) 4)治験を行うことにより得られたデータ 5)第26 条の2第5項に規定する記録 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
1 自ら治験を実施する者は、本条の規定により、 当該被験薬に係る医薬品の製造販売承認日 治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日 のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存すること。 なお、当該記録の保存については、自ら治験を実施する者が実施医療機関の長にその業務を依頼することができる。 また、当該自ら治験を実施する者が実施医療機関に所属しなくなった場合については、その所属する実施医療機関の長が当該記録の保存業務を担うことができる。 |
2 当該被験薬に係る医薬品が承認を受けた場合には、施行規則第101条の規定により、承認取得者は当該記録を所定の期間保存する必要があることから、治験薬提供者は当該記録の取扱いについて自ら治験を実施する者と契約を締結する等必要な措置を講じておくこと。 |
3 本条の「記録」には、磁気媒体等に記録されたデータを含むこと。 データを適切に保存するためには、セキュリティシステムの保持、データのバックアップの実施等が必要であること。 |
4 自ら治験を実施する者は、実施医療機関及び当該治験に係る審査を行った治験審査委員会において保存すべき記録について、その保存の必要がなくなった場合には、その旨を実施医療機関の長及び治験審査委員会の設置者に通知すること。 |
5 自ら治験を実施する者は、データの処理に電子データ処理システム(遠隔操作電子データシステムを含む。)を用いる場合には、次の事項を実施すること。 ------------------------------- (1)電子データ処理システムが、完全性、正確性、信頼性及び意図された性能についての自ら治験を実施する者の要件を満たしていることを保証し、文書化すること(すなわちバリデーションされること。)。 なお、その際には、システムの用途並びにシステムが被験者保護及び治験結果の信頼性に影響を与える可能性を考慮したリスク評価に基づいて行うこと。 ------------------------------- (2)当該システムを使用するための手順書を整備すること。 当該手順書の対象範囲にはシステムのセットアップ、インストール及び使用方法を含むものとする。 当該手順書には、システムバリデーション及び機能テスト、データの収集及び取扱い、システムの維持管理、システムの安全対策、変更管理、データのバックアップ、修復、危機管理計画並びにシステムの廃棄について記載すべきである。 これらの電子データ処理システムの使用に関する自ら治験を実施する者、治験責任医師その他の当事者の責務は明確に示し、使用者に対し、システムの使用に関する教育・訓練を提供すべきである。 ------------------------------- (3)当該システムが、入力済みのデータを消去することなしに修正が可能で、データ修正の記録をデータ入力者及び修正者が識別されるログとして残せる(すなわち監査証跡、データ入力証跡、修正証跡が残る)ようにデザインされていることを保証すること。 ------------------------------- (4)データのセキュリティシステムを保持すること。 ------------------------------- (5)データのバックアップを適切に行うこと。 ------------------------------- (6)データの修正を行う権限を与えられた者の名簿を作成し、管理すること。 ------------------------------- (7)データの背景、内容及び構成を説明する全てのデータを含め、データの完全性を保証すること。 この点は、ソフトウェアのアップグレード又はデータの移行等、電子データ処理システムを変更する場合に、特に重要である。 ------------------------------- (8)盲検化が行われている場合には、盲検性が保持されるようにすること。 |
6 自ら治験を実施する者は、処理中にデータの変換を行う場合には、処理前のデータと処理後のデータを常に対比し得ることを保証すること。 |
7 自ら治験を実施する者は、各被験者について報告された全てのデータの識別を可能にする明確な被験者識別コードを用いること。 |
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