医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医薬品GCP)

 自ら治験を実施する者は、第2条第20項に規定する調整する業務を治験調整医師又は治験調整委員会に委嘱する場合には、その業務の範囲、手順その他必要な事項を記載した文書を作成しなければならない。

 
 

1 治験調整医師又は治験調整委員会に委嘱される業務とは、例えば、治験実施計画書の内容の細目についての多施設間の調整や治験中に生じた治験実施計画書の解釈上の疑義の調整等、多施設共同治験における実施医療機関間の調整に係る業務である。

2 多施設共同治験において治験調整医師又は治験調整委員会に委嘱することができる「治験の細目について調整する業務」には、

法第80条の2第2項に規定する治験の計画の届出、

GCP省令第26条の6第2項及び第48条第3項に規定する他の実施医療機関の治験責任医師への副作用情報等の通知に関する業務

及び

施行規則第273条に規定する厚生労働大臣への副作用等報告の業務

を含むことと解される。

3 自ら治験を実施する者(治験責任医師となるべき医師又は歯科医師に限る。

以下この項において同じ。)は、多施設共同治験において治験調整医師又は治験調整委員会に業務を委嘱する場合には、委嘱する業務の範囲、委嘱する業務の手順その他必要な事項を記載した文書を作成すること。

4 自ら治験を実施する者は、多施設共同治験の実施に当たり、次のことを保証すること。

(1)全ての治験責任医師が、治験審査委員会の意見に基づき各実施医療機関の長が承認した治験実施計画書を厳密に遵守して治験を実施していること。

(2)症例報告書が全施設において必要なデータが収集できるようにデザインされていること。

追加的データを収集する治験責任医師にはそれを記載するために設計された補足的な症例報告書が併せて提出されていること。

(3)治験調整医師(治験調整医師を選定した場合)、治験調整委員会(治験調整委員会を設置した場合)及び治験責任医師の責務が治験開始前に文書で定められていること。

(4)全ての治験責任医師に対し、治験実施計画書の遵守方法、臨床上及び検査上の所見の評価に関する統一基準の遵守方法並びに症例報告書の記入方法が協議されていること。

(5)治験責任医師の間の連絡が容易であること。

(6)治験調整医師又は治験調整委員会は、多施設共同治験ごとの状況を考慮し、モニタリング、監査、治験使用薬の管理方法及び記録の保存等について、各実施医療機関の間で治験の品質においてばらつきが生じないよう調整すること。

 
 
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