医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 (医薬品GCP) |
第三章 治験の管理に関する基準 |
第一節 治験依頼者による治験の管理に関する基準 |
第16条 治験薬又は治験使用薬の管理 |
治験依頼者は、治験薬の容器又は被包に次に掲げる事項(拡大治験を実施する場合にあっては、第1号及び第2号に掲げる事項に限る。)を邦文で記載しなければならない。 1)治験用である旨 2)治験依頼者の氏名及び住所 3)化学名又は識別記号 4)製造番号又は製造記号 5)貯蔵方法、有効期間等を定める必要があるものについては、その内容 |
2 治験依頼者は、治験薬に添付する文書、その治験薬又はその容器若しくは被包(内袋を含む。)には、次に掲げる事項を記載してはならない。ただし、拡大治験を実施する場合にあっては、この限りでない。 1)予定される販売名 2)予定される効能又は効果 3)予定される用法又は用量 |
3 治験依頼者は、被験者、治験責任医師等及び治験協力者が被験薬及び対照薬の識別をできない状態で実施医療機関に交付した治験薬について、緊急時に、治験責任医師等が被験薬及び対照薬の識別を直ちにできるよう必要な措置を講じておかなければならない。 |
4 治験依頼者は、輸送及び保存中の汚染や劣化を防止するため治験薬を包装して実施医療機関に交付しなければならない。 |
5 治験依頼者は、治験薬又は治験使用薬に関する次に掲げる記録を作成しなければならない。 1)治験薬の製造年月日、製造方法、製造数量等の製造に関する記録及び治験薬の安定性等の品質に関する試験の記録 2)実施医療機関ごとの治験使用薬の交付又は回収の数量及び年月日の記録 3)治験使用薬の処分の記録 |
6 治験依頼者は、治験の契約の締結後遅滞なく、実施医療機関における治験使用薬の管理に関する手順書を作成し、これを実施医療機関に交付しなければならない。 |
7 治験依頼者は、必要に応じ、治験薬の溶解方法その他の取扱方法を説明した文書を作成し、これを治験責任医師等、治験協力者及び第39条に規定する治験薬管理者に交付しなければならない。 |
8 第6項の規定による手順書の交付については、第10条第2項から第5項までの規定を準用する。 この場合において、これらの規定中「治験の依頼をしようとする者」とあるのは、「治験依頼者」と読み替えるものとする。 |
9 第7項の文書の交付については、第10条第2項から第5項までの規定を準用する。 この場合において、これらの規定中「治験の依頼をしようとする者」とあるのは「治験依頼者」と、「実施医療機関の長」とあるのは「治験責任医師等、治験協力者及び第39条に規定する治験薬管理者」と読み替えるものとする。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第1項〉 |
1 治験依頼者は、治験薬の容器又は被包に第16条第1項各号に掲げる事項を邦文で記載することとしているが、国際共同治験(新規の医薬品の世界規模での開発及び承認を目指して企画される治験であって、一つの治験に複数の国や地域の医療機関が参加し、共通の治験実施計画書に基づき、同時並行的に進行するもの)において複数の国や地域に英文で記載された共通の治験薬を用いる場合又は欧米等で承認のある未承認薬を用いたブリッジング試験等の場合であって、治験実施計画書にその旨を記載し、治験審査委員会の承認を得たものについては、英文で記載することで差し支えない。 なお、英文で記載する場合には、別途、邦文で記載された治験薬の溶解方法その他の取扱い方法を説明した文書(第16条第1項各号に掲げる事項を含むもの)を作成し、治験薬管理者に交付する等治験薬を適切に管理するための必要な措置を講じておくこと。 また、国際共同治験又は欧米等で承認のある未承認薬を治験薬として用いる試験等の場合であって、英文等で販売名等が記載されているものを治験薬として用いるときは、実施医療機関において適切に管理がなされるための必要な措置を講じておくこと。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第3項〉 |
治験依頼者は、盲検下の治験では、治験薬のコード化及び包装に際して、医療上の緊急時に当該治験薬がどの薬剤であるかを直ちに識別できるようにし、かつ盲検性が破られたことを検知できるようにしておくこと。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第4項〉 |
1 治験薬の包装形態は、輸送及び保存中に汚染や許容範囲外の劣化を防止し、使用の便宜を考慮したものであること。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第5項〉 |
1 治験依頼者は、治験薬の製造に関する記録、安定性等の品質に関する試験の記録、治験依頼者が交付する治験使用薬の交付・回収の記録及び治験依頼者が交付する治験使用薬の処分の記録を作成すること。 治験薬の製造に関する記録には、治験薬GMP通知に定められた記録を含むこと。 |
2 治験依頼者は、治験薬が使用期間中安定であることを保証すること。 |
3 治験依頼者は、必要な場合には、治験薬がその規格を満たしていることを再確認できるだけの十分な量のロットサンプルを確保し、経時的にロットサンプルを分析した記録を作成、保存すること。 安定性が確保されている間は、ロットサンプルを治験データの解析が終わるまでの期間保存すること。 |
4 治験依頼者は、治験依頼者が交付する治験使用薬の適正な取扱いを保証するため、次の事項を行うこと。 (1)適切な時期に治験使用薬が実施医療機関に交付されるようにすること。 (2)治験使用薬の出荷、受領、処分、返却及び廃棄の記録を保存すること。 (3)治験使用薬の回収及びその記録作成のためのシステムを保持すること(例:欠陥品の回収、治験終了後の回収、使用期限切れの治験使用薬の回収)。 (4)未使用の治験使用薬の処分及びその記録作成のためのシステムを保持すること。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第6項〉 |
1 治験依頼者は、交付する治験使用薬について、実施医療機関におけるそれらの取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書を定め、これを実施医療機関に交付すること。 交付先は、実施医療機関の指示に従うことで差し支えない。 当該手順書には、治験使用薬の受領、取扱い、保管、管理、処方並びに未使用治験使用薬の被験者からの返却及び治験依頼者への返却又はその他の処分が、適切で確実に行われるために必要な指示を記載すること。 |
医薬品GCPガイダンス 【解説】 |
〈第7項〉 |
1 治験依頼者は、治験薬の許容される保存条件、使用期限、溶解液及び溶解方法並びに注入器具等取扱い方法を説明した文書を作成し、これを治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、治験薬管理者等(モニターを含む。)に交付すること。 |
関連場所へジャンプ | |
戻る | 次へ |
医薬品GCP 目次 | |
医療機器GCP 目次 | |
法律・省令・指針等 目次 |
|
治験ナビ・トップ |