医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医療機器GCP)

 自ら治験を実施する者は、次に掲げる治験に関する記録(文書及びデータを含む。)を

治験機器提供者が被験機器に係る医療機器についての製造販売の承認を受ける日
(第四十三条第三項の規定により通知したときは、通知した日後三年を経過した日)又は
治験の中止若しくは終了の後三年を経過した日
のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存しなければならない。

一 治験実施計画書、承認書、総括報告書その他この省令の規定により自ら治験を実施する者が作成した文書又はその写し

二 症例報告書、第五十一条第七項の規定により通知された文書その他この省令の規定により実施医療機関の長又は治験分担医師から入手した記録

三 モニタリング、監査その他の治験の実施の準備及び管理に係る業務の記録(前二号及び第五号に掲げるものを除く。)

四 治験を行うことにより得られたデータ

五 第三十五条第五項に規定する記録

 
 

1 自ら治験を実施する者は、本条の規定により、各号に掲げる治験に関する記録を

被験機器に係る医療機器の製造販売承認日
(第43条第3項の規定により、開発を中止した又は臨床試験の試験成績に関する資料が申請書に添付されないことを決定した旨の通知をした日から3年が経過した日)
又は
治験の中止若しくは終了の後3年を経過した日
のうちいずれか遅い日までの期間適切に保存すること。

なお、当該記録の保存については、自ら治験を実施する者が実施医療機関の長にその業務を依頼することができる。

また、当該自ら治験を実施する者がその所属する実施医療機関に所属しなくなった場合については、実施医療機関の長が当該記録の保存業務を担うことができる。

2 当該被験機器に係る医療機器が承認を受けた場合には、施行規則第114条の71の規定により、承認取得者は当該記録を所定の期間保存する必要があることから、治験機器提供者は当該記録の取扱いについて自ら治験を実施する者と契約を締結するなど必要な措置を講じておくこと。

3 本条の「記録」には、磁気媒体等に記録されたデータを含むこと。

データを適切に保存するためには、セキュリティシステムの保持、データのバックアップの実施等が必要であること。

4 自ら治験を実施する者は、実施医療機関及び当該治験に係る審査を行った治験審査委員会において保存すべき記録について、その保存の必要がなくなった場合には、その旨を実施医療機関の長及び治験審査委員会の設置者に通知すること。

5 自ら治験を実施する者は、データの処理に電子データ処理システム(遠隔操作電子データシステムを含む。)を用いる場合には、次の事項を実施すること。

1)電子データ処理システムが、完全性、正確性、信頼性及び意図された性能についての自ら治験を実施する者の要件を満たしていることを保証し、文書化すること(すなわちバリデーションされること)。

2)当該システムを使用するための手順書を整備すること。

3)当該システムが、入力済みのデータを消去することなしに修正が可能で、データ修正の記録をデータ入力者及び修正者が識別されるログとして残せる(すなわち監査証跡、データ入力証跡、修正証跡が残る)ようにデザインされていることを保証すること。

4)データのセキュリティ・システムを保持すること。

5)データのバックアップを適切に行うこと。

6)データの修正を行う権限を与えられた者の名簿を作成し、管理すること。

7)盲検化が行われている場合には、盲検性が保持されるようにすること。

6 自ら治験を実施する者は、処理中にデータの変換を行う場合には、処理前のデータと処理後のデータを常に対比し得ることを保証すること。

7 自ら治験を実施する者は、各被験者について報告された全てのデータの識別を可能にする明確な被験者識別コードを用いること。
 
 
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