医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医療機器GCP)

 自ら治験を実施する者は、監査に関する計画書及び業務に関する手順書を作成し、第四十六条第一項の治験審査委員会の意見を踏まえて、当該計画書及び手順書に従って監査を実施させなければならない。

2 監査担当者は、当該監査に係る治験を実施する医療機関において当該治験の実施(その準備及び管理を含む。)及びモニタリングに従事してはならない。
3 監査担当者は、監査を実施した場合には、監査で確認した事項を記録した監査報告書及び監査が実施されたことを証明する監査証明書を作成し、これを自ら治験を実施する者及び実施医療機関の長に提出しなければならない。
 
 

1 監査の目的は、治験の品質保証のために、治験が本基準、治験実施計画書、及び手順書を遵守して行われているか否かを通常のモニタリング及び治験の品質管理業務とは独立・分離して評価することにある。

2 自ら治験を実施する者は、治験のシステム及び個々の治験に対する監査のそれぞれについて、監査の対象、方法及び頻度並びに監査報告書の様式と内容を記述した監査手順書を作成し、監査が当該手順書及び当該手順書に基づいた監査計画に従って行われることを保証すること。

また、監査担当者の要件は、第1項の「業務に関する手順書」に記載されていること。監査の方法(直接閲覧の頻度を含む。)は、治験の内容(治験のデザイン、実施期間等)を考慮して手順書中に適切に設定すること。

3 治験のシステムに対する監査は、実施医療機関及び治験の実施に係るその他の施設における治験のシステムが適正に構築され、かつ適切に機能しているか否かを評価するために行うものである。

4 個々の治験に対する監査は、当該治験の規制当局に対する申請上の重要性、被験者数、治験の種類、被験者に対する治験の危険性のレベル及びモニタリング等で見出されたあらゆる問題点を考慮して、実施医療機関及び治験の実施に係るその他の施設に対する監査の対象及び時期等を決定した上で行うこと。

5 監査担当者は、必要に応じて実施医療機関において実地に監査を行い、原資料を直接閲覧すること等により治験が適切に実施されていること及びデータの信頼性が十分に保たれていることを確認すること。

6 自ら治験を実施する者は、モニタリング、監査並びに治験審査委員会及び規制当局の調査時に実施医療機関が原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供することを、治験実施計画書又は他の合意文書に明記すること。

7 自ら治験を実施する者は、モニタリング、監査並びに治験審査委員会及び規制当局の調査時に、被験者の医療に係る原資料が直接閲覧されることについて、各被験者が文書により同意していることを確認すること。

 
 

1 自ら治験を実施する者は、教育・訓練と経験により監査を適切に行いうる要件を満たしている者を監査担当者として指名すること。

2 自ら治験を実施する者は、実施医療機関に属する者を監査担当者に指定する場合は、当該治験の実施(実施の準備及び管理を含む。)及びモニタリングに従事しない者を選任すること。

なお、実施医療機関外部に監査を委託することも可能である。

 
 

1 監査担当者は、監査の記録に基づき監査報告書を作成し、記名押印又は署名の上、自ら治験を実施する者及び実施医療機関の長に提出すること。

監査報告書には、報告書作成日、被監査部門名、監査の対象、監査実施日、監査結果(必要な場合には改善提案を含む。)及び当該報告書の提出先を記載すること。

2 監査機能の独立性と価値を保つために、規制当局は、通常の調査の際には監査報告書の閲覧を求めないこととする。

ただし、重大なGCP省令不遵守が認められる場合は、監査報告書の閲覧を求めることができる。上記1の監査の記録についても同様とする。

3 監査担当者は、監査を行った治験について、監査が実施されたことを証明する監査証明書を作成し、証明した日付、証明者を明記の上、自ら治験を実施する者及び実施医療機関の長に提出すること。
 
 
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