医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令
(医療機器GCP)

 自ら治験を実施しようとする者は、第十七条の試験により得られた資料並びに被験機器の品質、有効性及び安全性に関する情報に基づいて、次に掲げる事項を記載した治験機器概要書を作成しなければならない。

一 被験機器の原材料名又は識別記号

二 被験機器の構造及び原理に関する概要

三 品質、安全性、性能その他の被験機器に関する事項

四 臨床試験が実施されている場合にあっては、その試験成績に関する事項

2 自ら治験を実施しようとする者は、被験機器の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、前項の治験機器概要書を改訂しなければならない。
 
 

1 自ら治験を実施しようとする者は、治験分担医師及びその他治験に関与する者が、治験実施計画書の主要項目(使用方法及び被験者の安全性を監視するための手順等)の合理的根拠を理解し、かつそれを遵守するための情報を提供するために、治験機器概要書を作成すること。

また、治験機器概要書は治験実施期間中の被験者の臨床上の管理に必要な知識も提供するものであること。治験機器提供者から治験機器概要書の提供を受ける場合については、自ら治験を実施する者は、その内容を確認すること。

なお、治験機器提供者から治験機器概要書の提供を受けることが困難な場合は、規制当局に個別に相談されたい。

2 自ら治験を実施しようとする者は、治験機器に係る品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報を治験機器提供者からも収集し、その情報について検討し、治験機器概要書の作成に利用すること。

3 自ら治験を実施しようとする者は、治験機器提供者が行う治験機器に係る品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために必要な情報の収集に協力すること。

4 治験機器概要書に記載されるデータは、簡潔、客観的、公平な形で作成されるものであること。

5 治験機器概要書に記載すべき情報の種類や範囲は、被験機器の特性に応じた適切なものであること。

被験機器が市販され、その性能が一般の医師又は歯科医師に広く理解されている場合には、広範な情報を掲載した概要書は必要ない場合もありうる。

6 自ら治験を実施しようとする者は治験の実施に必要な非臨床試験及び先行する臨床試験の成績をまとめた治験機器概要書を手順書に従って作成すること。

7 第3号の「品質、安全性、性能その他の被験機器に関する事項」とは、被験機器の物理的、化学的及び工学的性質、原材料名、性能、安全性、生体適合性、吸収性に関連する非臨床試験の成績を指す。

なお、自ら治験を実施する者は、必要に応じ、必要な資料又は情報の提供について、治験機器提供者と協議し、契約を締結するなど必要な措置を講じ、その実行を担保すること。

8 治験機器概要書に通常含まれているべき具体的事項については、ISO14155:2011の附属書B を参照すること。

 
 

1 自ら治験を実施しようとする者は、新たな情報が得られた場合等には、手順書に従って治験機器概要書を改訂すること。

2 自ら治験を実施しようとする者は、新たな重要な情報が得られた場合には、治験機器概要書の改訂に先立って、実施医療機関の長及び規制当局にこれらの情報を報告すること。

 
 
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