医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令 (医療機器GCP) |
第二章 治験の準備に関する基準 |
第二節 自ら治験を実施しようとする者による治験の準備に関する基準 |
第16条 業務手順書等 |
自ら治験を実施しようとする者は、治験実施計画書の作成、治験使用機器の管理、治験使用機器等の不具合情報等の収集、記録の保存その他の治験の実施の準備及び管理に係る業務に関する手順書を作成しなければならない。 |
2 自ら治験を実施しようとする者は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士その他の治験の実施の準備及び管理に係る業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者を確保しなければならない。 |
医療機器GCPガイダンス 【解説】 |
〈第1項〉 |
1 自ら治験を実施しようとする者は、治験の準備に係る治験実施計画書の作成、治験機器概要書の作成、治験使用機器の管理、治験使用機器等の不具合情報等の収集などの業務、治験の管理に係る治験使用機器の管理、治験使用機器等の不具合情報等の収集、モニタリング及び監査の実施、総括報告書の作成、記録の保存などの業務について手順書を作成すること。 |
2 第1項の「手順書」とは、治験に係る業務が恒常的に適正に実施されるよう標準的な手順を定めた文書である。 なお、第21条第5号及び第6号、第35条第6項、第38条第2項、第40条第1項、第42条第1項等における「手順書」も同じ意味である。 なお、本条の以下の解説において自ら治験を実施する者とあるのは、自ら治験を実施しようとする者を含むものである。 |
3 多施設共同治験において、自ら治験を実施する者のうち治験責任医師と治験調整医師で分担して治験の実施の準備及び管理に係る業務を行う場合には、あらかじめ、業務の分担等を手順書に定めておく等により両者が行う業務を明確にしておくこと。 なお、明確にされていない業務については、自ら治験を実施する者のうち治験責任医師である者が行うこと。 また、治験調整医師に分担された業務についても、治験責任医師が把握できるようにしておくこと。 |
4 自ら治験を実施する者は、治験の実施並びにデータの作成、記録及び報告が、本基準及び治験実施計画書を遵守して行われることを保証するために、手順書に基づく品質保証及び品質管理システムを履行し、保持する責任を有する。 なお、「治験の品質保証」とは、治験の実施、データ作成、文書化(記録化)及び報告が、治験実施計画書及び本基準を遵守していることを保証するために設定された計画的かつ体系的な全活動を、「治験の品質管理」とは、治験関連の活動の質に求められる事項を充足しているか否かを検証するために治験の品質保証システムの一環として行われる実務的な手法及び活動をいう。 |
5 自ら治験を実施する者は、治験に関連する全てのデータの信頼性とその適正な処理を保証するために、データ取扱いの各段階に品質管理を適用すること。 |
6 自ら治験を実施する者は、治験に係る検体等の検査機関(実施医療機関の検査室等を含む。)において、検査が適切に実施されて治験に係るデータが信頼できることを保証するため、当該検査機関における精度管理等を保証する記録等を確認すること。 なお、確認すべき検査の範囲や具体的な確認方法は、各検査データの当該治験における位置づけ(主要評価項目であるかどうか等)を考慮すること。 |
7 自ら治験を実施する者は、第35条第6項に基づき、実施医療機関の治験機器管理者が治験使用機器の取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書を定めること。 当該手順書には、治験使用機器の受領、取扱い、保管、管理、保守点検並びに未使用治験使用機器の被験者からの返却及び治験機器提供者への返却又はその他の処分、場合によっては据付、再使用のための準備又は点検が、適切で確実に行われるように規定すること。 |
8 自ら治験を実施する者が作成すべき記録の保存に関する手順書には、実施医療機関及び当該治験に係る審査を行った治験審査委員会において保存すべき記録(第53条及び第61条参照)について、その保存の必要がなくなった場合には、その旨を実施医療機関の長及び実施医療機関の長を経由して治験審査委員会の設置者に通知することを含むこと。 なお、第43条第2項及び第3項に規定する治験の中断又は中止に関する自ら治験を実施する者から実施医療機関の長への文書による通知に関する事項(当該通知を受けた実施医療機関の長から治験責任医師及び治験審査委員会への通知については、第60条第2項に規定されている。)及び当該被験機器に係る製造販売承認を受けた場合に、治験機器提供者から自ら治験を実施する者へその旨が通知されるよう、治験機器提供者と契約を締結するなど必要な措置を講じることについても規定されている必要がある。 1)自ら治験を実施する者は、治験を中止又は中断する場合には、実施医療機関の長にその旨とその理由の詳細を速やかに文書で通知すること(第43条第2項参照)。 2)自ら治験を実施する者は、当該治験により収集された臨床試験の試験成績に関する資料が法第23条の2の5第3項に規定する申請書に添付されないことを知り得た場合には、その旨とその理由の詳細を実施医療機関の長に速やかに文書で通知すること(第43条第3項参照)。 3)実施医療機関の長は、自ら治験を実施する者が治験の中止又は中断、若しくは当該治験により収集された臨床試験の試験成績に関する資料を法第23条の2の5第3項に規定する申請書に添付しないことを知った旨を通知してきた場合には、治験審査委員会に対し速やかにその旨を文書で通知するとともに、中止又は中断について文書で詳細に説明すること(第60条第2項及び第3項参照)。 4)治験機器提供者は、自ら治験を実施する者が治験を実施した治験機器に係る医療機器についての製造販売承認申請に関する情報を自ら治験を実施する者に提供すること。 |
9 自ら治験を実施する者は、治験分担医師に症例報告書の変更又は修正に関する手引きを提供すること。 |
10 自ら治験を実施する者は、当該治験を実施する実施医療機関以外の全ての関連施設及び原資料等の全ての治験関連記録を、自ら治験を実施する者が指定したものによるモニタリング及び監査、並びに治験審査委員会及び規制当局による調査のための直接閲覧が可能であるように全ての関係者との合意を治験が開始される前に得ておくものとし、これに関する規定が手順書に定められていること。 |
11 自ら治験を実施する者は、実施医療機関及び治験に係るその他の施設又は自ら治験を実施する者のスタッフが本基準、治験実施計画書及び手順書を遵守していない場合には、遵守を確保するべく迅速な措置を講じること。 |
医療機器GCPガイダンス 【解説】 |
〈第2項〉 |
1 「治験の実施の準備及び管理に係る業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者」とは、治験に関する医学的又は歯学的な問題について適切な助言を行う医学又は歯学の専門家並びに治験実施計画書、治験機器概要書等の作成・改訂、データの取扱い、統計解析の実施、総括報告書の作成等、治験の全過程を通じて活用されるべき実施医療機関内部及び外部の専門家(例:生物統計学、臨床検査学、臨床工学等の専門家)を含む。 |
2 自ら治験を実施する者は、治験に関する業務の総括的な監督、治験実施計画書、症例報告書の見本(治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものと解してよい。)及び治験機器概要書の作成及び改訂、データの取扱い、検証及び統計解析の実施並びに治験の中間報告書(必要な場合)及び総括報告書等の作成等、治験の全過程を通じ適格な者(例:生物統計学者、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士等)を活用すること。 |
3 自ら治験を実施しようとする者は、治験の準備において治験に関連する全ての業務を確定し、適格な者に割り当てること。 |
関連場所へジャンプ | |
戻る | 次へ |
医療機器GCP 目次 | |
医薬品GCP 目次 | |
法律・省令・指針等 目次 |
|
治験ナビ・トップ |