医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令 (医療機器GCP) |
第一章 総則 |
第1条 趣旨 |
この省令は、被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保するため、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第二十三条の二の五第三項及び第十二項(同条第十五項及び法第二十三条の二の十七第五項において準用する場合を含む。以下同じ。)並びに第二十三条の二の九第四項(法第二十三条の二の十九において準用する場合を含む。以下同じ。)の厚生労働省令で定める基準のうち医療機器の臨床試験の実施に係るもの並びに第八十条の二第一項、第四項及び第五項に規定する厚生労働省令で定める基準を定めるものとする。 |
医療機器GCPガイダンス 【解説】 |
1 本基準(この省令で定める基準を以下「本基準」という。)は、被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、医療機器の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施(以下、「治験」という。)の科学的な質と成績の信頼性を確保することを目的として、治験及び製造販売後臨床試験に関する計画、実施、モニタリング、監査、記録、解析及び報告等に関する遵守事項を定めるものである。 |
2 治験に関する原則的事項としては、次の事項があげられる。 製造販売後臨床試験を実施する際も準拠すべきである。 ------------------------------- 1)治験は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則及び本基準を遵守して行うこと。 ------------------------------- 2)治験を開始する前に、個々の被験者及び社会にとって期待される利益と予想される危険及び不便とを比較考量すること。 期待される利益によって危険を冒すことが正当化される場合に限り、治験を開始し継続すべきである。 ------------------------------- 3)被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上に対する配慮が最も重要であり、科学と社会のための利益よりも優先されるべきである。 ------------------------------- 4)治験機器に関して、その治験の実施を支持するのに十分な非臨床試験及び先行する臨床試験に関する情報が得られていること。 ------------------------------- 5)治験は科学的に妥当でなければならず、治験実施計画書にその内容が明確かつ詳細に記載されていること。 ------------------------------- 6)治験は、治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して実施すること。 ------------------------------- 7)被験者に対する医療及び被験者のためになされる医療上の決定に関する責任は、医師又は歯科医師が常に負うこと。 ------------------------------- 8)治験の実施に関与する者は、教育、訓練及び経験により、その業務を十分に遂行しうる要件を満たしていること。 ------------------------------- 9)全ての被験者から、治験に参加する前に、自由意思によるインフォームド・コンセントを得ること。 ------------------------------- 10)治験に関する全ての情報は、正確な報告、解釈及び検証が可能なように記録し、取扱い、及び保存すること。 ------------------------------- 11)被験者の身元を明らかにする可能性のある記録は、被験者のプライバシーと秘密の保全に配慮して保護すること。 ------------------------------- 12)治験機器の製造、取扱い、保管及び管理は、適切な製造管理及び品質管理のもとで行うこと。 治験機器は治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して使用すること。 ------------------------------- 13)治験のあらゆる局面の質を保証するための手順を示したシステムを運用すること。 ------------------------------- 14)治験に関連して被験者に健康被害が生じた場合には、過失によるものであるか否かを問わず、被験者の損失を適切に補償すること。 その際、因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにすること。 |
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