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特許権が認められる期間は、
特許を出願した日から20年間
と定められています。

しかし、医薬品の場合、新化学物質を発見してから非臨床、臨床試験を経て、製造承認を受けるまでに、通常、10〜15年かかると言われています。

特許を出願するのは、治験届を提出するよりも前なので、特許期間20年間の内、10〜15年間は開発期間であり、結局、上市した後の5〜10年間しか、当該医薬品を独占することができないことになります。

 
 

先発品の特許期限が切れると同時に、 後発品メーカーが一斉参入してきます。

それによって、先発品の売上は一気に減少し、当然、先発品メーカーの利益は減ります。

また、それだけでなく、 治験等、膨大にかかった開発コストを回収しきれない場合が発生します。

先発品メーカーにとっては、踏んだり蹴ったりです。

→ 先発医薬品(先発品)

→ ジェネリック(後発品)

そこで、開発者の利益を少しでも保護するために、特許法において次のような補償制度が定められています。

特許法67条2(特許期間延長制度)

他の制度により、「一定期間の独占排他権」の期間が侵食される場合、5年を限度に特許期間が補償される

※なお、これは、医薬品に限定されない制度です。

医薬品の開発においても、薬事法等の規定により、製造販売承認のためには、臨床試験が義務付けられているので、この特許期間延長制度が適用されます。
 
 

「他の制度により一定期間の独占排他権の侵食される期間」として認められ、特許期間延長が補償されるのは、
「特許の成立日」、「治験届の提出日」の遅い方から「承認日」までの期間
が相当します。

特許期間と治験期間の関係は、
以下のように表せます。

【タイプ1】

(20年後)   




 



 



 
→→→→→→→→→→→→→→→→→
 


 


 



(最大5年延長)

タイプ1では、
治験届提出日より特許成立日の方が後なので、特許成立日〜承認日の期間の分だけ、最大5年間、特許期間が延長されます。

【タイプ2】

(20年後)   







   



 
→→→→→→→→→→→→→→→→→
   




 



(最大5年延長)

タイプ2では、
特許成立日より治験届提出日の方が後なので、治験届提出日〜承認日の期間の分だけ、最大5年間、特許期間が延長されます。

以上から、医薬品の特許期間は、
実際には、20〜25年間(最大)
となります。
 
 
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