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厚生労働省等が、日本における医薬品開発の国際競争力の低下を危惧して進めている治験推進政策。
 
 

1997年4月の新GCP施行後、国内の医療機関の大部分は、GCPに沿った治験実施体制を敷くことができず、施行前に比べて、国内での治験の実施数が半減しました。

そのため、治験を実施できずに困った日本の製薬企業は、海外で治験を実施し、そのデータを日本に持ち込んで申請する「ブリッジングスタディの活用」 という、いわば逆輸入的な方法を選択する場合が増えてきました。

海外の方が、ICH(新GCPの原案にもなった)に沿った治験実施が行える医療機関が多く、また、審査も早いので、最終的に治験に要する期間が短縮できるからです。

当然、外資系の製薬企業は海外で治験を実施して、日本に持ち込み、申請することが多くなります。

このように、治験が主に海外に実施されるようになると、国内で実施される治験の数が減り、日本の医療機関はいつまでたっても治験を実施する体制が整わない状況が続いてしまいます。

結果として、日本における医薬品開発能力が、欧米に大きく遅れをとってしまう。

このことを

治験の空洞化

と言います。

→ 治験の空洞化

 
 

現在、国内治験の課題としては、

(1)高い(費用が)
(2)遅い
(3)まずい(質がよくない)

の3点が指摘されています。

牛丼の吉野家の
(1)安い
(2)早い
(3)うまい

と対極に位置すると言って良いでしょう。

治験にかかる費用が高い、また、治験が遅いのは、欧米に比べて治験全体に要する期間が長いことが原因であると言われています。

これは、日本では、医療保障制度が充実しているため、治験の被験者になることを希望する人が少なく、データ解析に必要な人数の被験者を集めるのに、非常に時間がかかることが影響しています。

※「医療保障制度が充実しているため、経済的理由から治験の被験者になるという選択をしなくて済む」というのは、本来であれば素晴らしいことです。

しかし、それが治験が遅い理由の一つとなっているのは、実に残念なことです。

 
 

厚生労働省は、日本の医薬品開発の国際競争力の低下を危惧し、「高い」「遅い」「まずい」といった課題をクリアすべく、次のような治験推進政策(治験の活性化政策)を行っています。

@ 治験コーディネーター(CRC)育成
  約5000人のCRCを養成。

→ CRC養成機関リンク集
【リンク切れ】工事中

A 医師や事務職員向けの新GCP研修

※以下、当ページ下の用語集リンク参照

B 治験ネットワーク(インフラ)の整備

 大規模治験ネットワークの構築
 (2003年度より)。

 地域治験ネットワークの推進。

C 治験が社会的に認知されるための普及啓発活動

D 医師への金銭面以外のメリット(インセンティブ)を増やす。

 
 
治験の空洞化
海外の治験スピードが速い理由
ICH
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