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生命に危険を及ぼすような重度疾患、または、そこまでは重度ではない軽い疾患の症状を抑えたり治療したりするのではなく、

日常生活で気になるちょっとした症状や体調を改善することにより、日常生活を快適に過ごすために用いられる医薬品

いわば、「生活の質(Quality of life)を改善するのに役立つ医薬品」とも言えます。

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米国では、「ライフスタイル・ドラッグ」と呼ばれます。

時には、「アメニティー・メディスン」と呼ばれることもあります。

具体的には、

● 勃起機能不全治療薬
  (ファイザーのバイアグラ)

● 禁煙補助薬
  (ファルマシアのニコレット。禁煙ガム)

● 経口避妊薬(低用量ピル)

● 食欲抑制剤

● 睡眠改善薬(睡眠薬)

● 抜け毛防止薬・発毛剤
  (大正製薬のリアップ)

などが「生活改善薬」に分類されます。

 
 

既存の疾患治療薬の薬価引き下げの影響もあり、売り上げが上がりにくいので、製薬企業は、「生活改善薬」の開発に力を入れています。

治験の被験者募集広告や疾患啓発広告でも、「生活改善薬」の記事をよく見かけるようになりました。

軽度の症状であることから、病院に行かない潜在患者がかなりいると思われ、潜在的な市場は大きいと期待されています。

 
 

ところで、
「薬と病気の本」を編集した橋本信也・国際学院埼玉短大副学長(内科学)によると、

「日本での明確な定義はない。
 生命に直接関係する病気の治療用ではないが、《生活の質を向上し、それに悩んでいる人の幸福感を高める薬》と解釈されている」

確かに、どこまでを「生活改善薬」とするかは、悩むところ。

便秘薬や頭痛薬だって生活を改善するという意味では、「生活改善薬」だとも言えます。

「抗うつ薬」を生活改善薬としている記事も見かけます。

「今日はちょっと気分が落ち込んでいるから、医者からもらった『抗うつ薬』でも飲んでみようか」
というような気軽な感じで飲むのであれば、
もはや「生活改善薬」と言っても過言ではありません。

ただ、ここで注意しなければならないのは、 「化学実験・動物実験・臨床試験を実施し、 厚生労働省の厳しい審査を受け、承認されて、初めて販売することができる」という点において、従来の医療用医薬品と全く変わりはないということ。

そしてもちろん、生活改善薬には、副作用もあります。

クオリティ・オブ・ライフ
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