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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
メタボリックシンドローム |
metabolic syndrome |
解説(1) |
メタボリックシンドロームとは? |
肥満、 高血圧、 糖尿病(耐糖能異常)、 脂質代謝異常、 高脂血症など、 複数の危険因子(疾患)が重積し、 動脈硬化や冠動脈疾患 (最終イベントとして、心筋梗塞や脳梗塞) の発症リスク(発症率)が高まった病態。 |
解説(2) |
疾患の重複が問題 |
メタボリックシンドロームは、いろいろな疾患が重積して一人の患者に起こる病態です。 重積する疾患自体は、昔から知られている高血圧や高脂血症、糖尿病など、決して目新しいものではありません。 重要なのは、それらの疾患が「重積する」という点です。 |
以前は、動脈硬化の原因(危険因子)としては、「血中コレステロールの高い状態」が考えられていました。 しかし、研究が進むうちに、「動脈硬化を発症する人は、コレステロールが高い人よりも、むしろ、そうでない人の方が多い」ということが明らかになり、他の危険因子に注目が集まるようになりました。 |
1980年代より、 その結果、動脈硬化・冠動脈疾患の予防や治療には、各危険因子に対して個別に治療・予防するだけでなく、疾患が重複した病態全体を考慮して治療・予防すること そこで、疾患が重複した病態を表す概念として、「メタボリックシンドローム(MS)」という概念が生まれました。 |
解説(3) | |||||||||||||||
メタボリック・シンドロームの推定人口 | |||||||||||||||
英国の市場調査会社データモニターの調査によると、
日本の場合、MS患者は総人口の11%を占め、2010年には、人口の16%(2000万人)にまで増えると予想される。 |
解説(4) |
予防医学とメタボリックシンドローム |
高血圧、糖尿病、高脂血症などの危険因子が偶然以上の頻度で合併する背景には、共通の生活習慣要因があります。 それは、食習慣の乱れと運動不足から来る「肥満」と「内臓脂肪の蓄積」であることがわかっています。 従って、「生活習慣によって発生した危険因子(生活習慣病)が重積した病態」を指すメタボリックシンドロームは、予防医学的な意味合いが強い概念といえます。 |
解説(5) |
メタボリックシンドロームの定義と診断基準 |
米国のコレステロール教育プログラム(NCEP)におけるメタボリックシンドロームの定義や診断基準では、 ● 腹部肥満(ウエスト径) ● 高トリグリセリド(中性脂肪) ● 低HDL(高比重リポタンパク) ● 耐糖能異常(空腹時血糖) ● 高血圧 |
しかし日本においては、日本国内での実情とそぐわない面もみられることから、動脈硬化学会、肥満学会、糖尿病学会、高血圧学会、循環器学会の5学会が共同して、日本人におけるメタボリックシンドロームの定義や診断基準作りを進めています。 【工事中】 |
解説(6) |
メタボリックシンドロームの治療及び予防 |
メタボリックシンドロームの治療及び予防には、肥満やインスリン抵抗性の是正が最良であると考えられています。 メタボリックシンドロームの増加は、糖尿病などの併発、動脈硬化から、最後には心臓病や脳卒中に至るため、入院や突然死の増加が予想されます。 医療費増大は、国家財政を揺るがすほどの問題です。 国家的戦略からも、国民の生活習慣改善の推進など、国としても真剣に対策を考えるべきところまで来ています。 |
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