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治験・臨床試験 &医薬品開発用語集 |
被験者の呼称について |
解説(1) |
ボランティア? |
被験者の事を 確かに、自発的に進んで治験・臨床試験を受けるという意味では、「ボランティア」かもしれませんが、大事なことを見落としています。 被験者はあくまでも「患者」なのです。 本来ならば(健康体ならば)、誰が好きこのんで、副作用が起こるかもしれない薬剤を (健康な若者が、お金目的で参加する第T相試験はともかく) |
患者は、自分の病気を治すために、やむを得ず治験に参加しているのです。 それを「ボランティア」などという安易な表現で、片づけてしまって良いのでしょうか? 献血するのとは訳が違うということを、理解するべきです。 また、「ボランティア」という言葉には、「参加することはいいことだ」という意味が暗に含まれていることに気がつくべきでしょう もちろん、治験に参加すること自体は、決して悪いことではありませんが、 「ボランティア」 という図式がそこにあるのです。 「ボランティア」という言葉は、まさに、 ボランティアに参加しない人 治験に参加しない患者 であり、「ボランティア」という言葉は、患者に対して、治験に参加しないことに後ろめたさを感じさせるのです。 いわば、脅しですね。 |
解説(2) |
創薬ボランティア |
ところで、最近、さらに、困った表現型が出現しました。 「創薬ボランティア」 「創薬」というのは、あくまでも、「薬を創る」側の発想であり、表現です。 ここに「患者」の立場は不在です。 それに、 そもそも、患者は 「ボランティア」 じゃないんだってば! |
解説(3) |
育薬ボランティア |
「創薬」という言葉の「患者不在性」を補う 「育薬」というのは、製薬企業だけでなく、医療機関、国、地方自治体、そして、患者が一緒になって、「薬を育てて行こう!」という姿勢を表現したものだそうです。 「育薬」には、「患者参加性」も加味されている点で、患者不在の点は解消されていますが、 だから〜、患者は 「ボランティア」 じゃないんだってば! それに、社会のために「薬を育てて行こう!」などと思うような、殊勝で自己犠牲的な患者さんは、滅多にいませんよ! <おさらいコーナー> |
解説(4) |
「ボランティア」がお好き |
「創薬」とか「育薬」とか「ボランティア」とか、どうして、日本人というか日本の製薬企業は、感情を込めた「言葉」を使いたがるのでしょう? ウザッタイだけです。 もっと、単純に合理的にクールに考えればいいんです。 治験とは、患者が自分の病気を治すために自主的に参加するもの。 従って、治験に参加する患者のことを、 「治験参加者」という言葉は、事実をそのまま描写しただけであり、そこには何の意図も下心もありません。 治験に参加されたい患者さん、 ただ、これだけの簡単なことがなぜ分からないんでしょうね。 |
解説(5) | |
治験モニター | |
被験者のことを、「治験モニター」と呼んでいるサイトや団体がたまにあります。 「モニター」という名称は、治験従事者にとっては、「治験モニタリング担当者」の略称なので違和感があります。 おそらく、一般人に多少意味が通じる「商品モニター」からとった名称でしょう。 商品モニターとは、商品を実際に使ってみて、その感想や不満点などを報告する「一般人の消費者」のことです。
治験や臨床試験への参加者(被験者)は、依頼を受けて(あるいは自分から希望して)参加をしますが、参考意見や批評を提出することは求められません。そういう役割ではないからです。 もちろん、自分から実施者に対して意見や批評をすることはできますが、それが本来の治験・臨床試験への参加目的ではないはずです。 ですから、「被験者」のことを「治験モニター」と呼ぶのは、論理的にみて明らかにおかしいのです。 |
関連用語 |
被験者 |
治験のメリット(治験FAQ) |
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