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未だ満たされていない医療ニーズ

未だ有効な治療方法がない医療ニーズ

を意味し、
欧米の医薬品業界で開発検討時によく使われる慣用句。

 
 

時代とともに、社会における疾病構造(疾患の構成比)は変化し、それに従って、求められる医薬品の種類も変わってきています。

以前は、感染症の治療薬の需要が主流だったのが、現在では、生活習慣病、癌、老人病、精神障害に対する「治療・改善・QOL向上」を目的とする医薬品の需要が
増えてきています。

また、EDや不眠症、禁煙、抜け毛、頭痛など、直接生命に支障は無いものの、生活の満足度を向上させる生活改善薬」の需要も増えています。

その時代の疾病構造におけるUnmet Medical Needsをいち早くキャッチして、
それを解決(治療・改善)する薬効物質の研究に着手し、動物実験・臨床試験を経て、新薬としての開発に成功し、承認を受け、販売することができた製薬企業が、今後の医薬品業界をリードしていくと予想されます。

 
 

2020年初頭より、急激に世界的に広がり、パンデミックを起こし、多くの死者をもたらした新型コロナウイルス「COBID-19」。

先に、感染症治療薬のニーズよりも「生活改善薬」のほうが高い、などと述べましたが、新型コロナウイルスの登場が、状況を一変させました。

感染率が高く、経済に大打撃を与える新型コロナウイルスの「ワクチン」「治療薬」の開発こそが、最もニーズが高いものとなりました。

もちろん、抗がん剤や難病治療薬など、需要の高い薬は他にもたくさんあります。

しかし、感染率が高く、重症化すれば2週間程度で死に到る「新型コロナウイルス」の「ワクチン」「治療薬」のほうが、緊急度が圧倒的に高いのです。

そう考えると、2020年以降、少なくとも数年間は「感染症」の「ワクチン」「治療薬」が、アンメット・メディカル・ニーズのトップを走り続けると予想されます。

仮に「ワクチン」「治療薬」ができても、ウイルスの方が変異したり、耐性を持ったりすれば、新たな「ワクチン」「治療薬」の開発が必要になります。

「COBID-19」とは別の、感染力・毒性の強いウイルスが出現可能性だってあります。

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● 死亡率の高い疾患を完治させる薬

例えば、癌は現在死亡率トップの難病です。癌の治療薬、抑制薬こそが、未だに医療ニーズが満たされていない領域の最たるものです。

● 死亡率の高い疾患の進行をせめて遅らせる薬

完治とまではいかなくても、進行を大きく遅らせるだけでも、意味があります。

従来余命半年と宣告されていた疾患だったのが、新薬によって、5年生存率、10年生存率を80%近くまで高めることができれば奇跡です。もし、20年生存率を80%近くまで高めることができれば、それはもはや半分完治したと言えるのかもしれません。もちろん、完治するに越したことはありません。

● 強い副作用を抑え、QOLを向上させる薬

例えば、抗がん剤は、正常な細胞まで攻撃するので、嘔吐や髪の脱毛など、副作用が強いことで知られています。

以前に比べれば、副作用はだいぶ押さえられるようになったと言われていますが、それでもまだまだです。

ただでも治りにくい難病なのに副作用が強いというのは、あまりにも酷です。

● アルツハイマー症の治療薬

「死ぬその瞬間まで自分でいたい」
「家族に余計な負担をかけたくない」
ということは、誰もが望むニーズではないでしょうか?

「介護のための退職」
「介護のため進学できなかった若者」
「介護のため就職できなかった若者」
「介護疲れからの心中や殺人」
などが社会問題化しています。

また、仮に寝たきりになっても、頭がしっかりしていれば、介護する人の負担はまったく違います。

医療は、社会問題と直結しているのです。

● 骨粗鬆症の予防薬、治療薬

高齢者の骨粗鬆症による骨折が減れば、寝たきりの生活を防ぐことができます。

● その他、不満を言えばきりがないのですが、糖尿病、痛風、抜け毛など、すぐに死にいたらなくても、治って欲しい、せめて、薬を飲んでいる間は症状を完全に抑えて欲しい疾患は、世の中にたくさんあります。

製薬企業には、是非とも頑張って欲しいところです。

 
 
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