新医薬品承認審査概要
(SBA:Summary Basis of Approval)

通常は、「SBA」 または、「承認審査概要」といいます。

新医薬品の適性使用の推進等の為、
個々の新医薬品について、
中央薬事審議会における審議内容を
厚生労働省が取りまとめた概要のこと。

具体的には、
承認の根拠となった治験データや
厚生省の審査概要、
薬の副作用など
が記載されます。

<SBA誕生の経緯>

治験論文制度

厚生労働省は、1967年から
新薬承認の条件として、
製薬会社に治験論文の学会誌掲載を
義務づけてきました。

そもそも、新薬の治験内容を学会誌に掲載する規定は
1960年代に起きたサリドマイド薬害事件や、
40人近くが死亡したアンプル入り風邪薬事件
の反省から、医薬品の安全性や品質確保のための
新薬承認システム改善策として生まれたものです。

そして、治験論文に関する規定は、
1967年の厚生省薬務局長通達
「医薬品の製造承認等に関する基本方針」
に盛り込まれました。

その中で、申請時に提出するデータは
「原則として国内の専門の学会若しくは学会誌に発表され、
 又はこれに準ずる雑誌に掲載され、
 若しくは掲載されることが明らかなもの」
とされました。

治験論文によって、
治験の実施方法と結果が公開されることで、
外部の専門家が治験内容をチェックし、
薬害や効かない薬が無いかどうかを調べるのに
非常に役立っていました。

製薬企業の反発

当時の厚生省としては、
第3者が治験内容をチェックできるようにすることで
治験の信頼性の確保を考えた訳ですが、
その後、製薬メーカーからの不満が高まりました。

治験内容を論文によってすべて公開するため、

(1)他の製薬企業が論文から簡単にその薬をまねて、
   先に新薬の申請をして、許可を取ってしまう。

(2)全く同じ成分(化合物)でなくとも、
   論文から得た情報を流用してさらに改良して
   より効き目の良いもの、安全性の高いもの
   を作り出すことができるかもしれないこと。

を危惧したのです。

確かに、
研究開発費に莫大な投資をした挙句、
他社においしいところをとられたら、
製薬企業にしてみれば、たまったものではありません。

また、当時、欧米の政府や製薬企業から
日本の非関税障壁としてパッシングされていたこともあり、
企業情報(知的所有権)の保護
などを理由に、2000年4月より、この規定を廃止しました。
当局は、内圧だけでなく、外圧をも利用した訳です。

そして、その代替措置として、
治験データなどを記した新医薬品承認審査概要(SBA)
の作成、公開を義務づけることにしました。

<SBAの根本的な問題点>

当時の厚生省の医薬安全担当審議官は、

「SBAには企業秘密の部分は載せないが、
 治験や承認作業の透明性は確保できる」

と弁解しましたが、

「SBAには治験内容の全てが掲載される訳では無いので、
 企業秘密を理由に
 都合の悪いデータも載らない可能性がある

SBAは単なるサマリー(要約)に過ぎないので、
 要約者の見解が入る余地がある。
 その時点で既に科学的であるとは言えない」

「外国ではサマリーしか公表されていないからといって、
 良い制度を捨ててまで、
 日本もそれに追随する必要は無い。」  

といった指摘も多く、

薬害被害者団体や患者団体などから
痛烈に批判されています。

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→ PMS 
→ 新医薬品再審査概要(SBR)

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