製造物責任法(PL法:Product Liability)

製造業者等が、
自ら製造、加工、輸入または一定の表示をし、
引き渡した製造物の欠陥により、
他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、
過失の有無にかかわらず、
これによって生じた損害を賠償する責任
があること
を定めた法律。 (1995年7月1日施行)

通常、PL法と呼ばれます。

製造物に欠陥があり、
エンドユーザーである消費者が
生命・身体・財産などの損害を被った場合、
エンドユーザーが販売業者(小売店など)を飛び越えて、
直接、メーカーに対し無過失責任を負わせ、
損害賠償責任を追求できる

という画期的な法律です。

販売物に欠陥があった場合、
民法570条の規定する売主瑕疵担保責任に基づき
販売業者(小売店など)に
一定の範囲で責任が認められる為、
エンドユーザーは販売業者に対して、
商品交換、代金返済程度までは要求できます。

一方、製造物が爆発するなどして、
エンドユーザーが死亡したり怪我をした場合、
販売業者は自分で設計・製造しているわけではないので、
製造物自体の欠陥についての過失責任は
販売業者に対しては認められませんでした。

そこで、被害者であるエンドユーザーは、
欠陥品を製造したメーカー自身に責任を追求する訳ですが、
メーカーとエンドユーザーとの間には、
直接の契約関係が存在しないので、
民法709条以下724条までに定められた
不法行為責任」により
責任を追及するしかありませんでした。

民法709条:
故意または過失によって他人の権利を侵害したる者は
これによって生じたる損害を賠償する責めに任ず


しかし、この規定では、
「訴えた消費者側が過失を立証しなければならない」
(過失責任の原則)
ので、専門知識が無く、
工場(生産ライン)への立ち入りもできない、
普通のエンドユーザー(被害者)にとって、
過失の立証、メーカーへの責任追及は非常困難でした。

このような、
エンドユーザーによる過失立証の困難さを避ける為、
メーカーに「無過失責任」を負わせたのが、
PL法が作られた最大の理由です。

「無過失責任」とは、
過失の有無にかかわらず、
これによって生じた損害を賠償する責任

のことです。

民法と製造物責任法の適用の比較
民法第709条
製造物責任法

動産・不動産・サービス等
全ての商品


※動産は加工・未加工によならい。






製造または加工された動産
(自動車・テレビ・コーヒーカップ・加工したジュースなど)

※果物・野菜など未加工の農林畜水産物や不動産・サービス・電気・ソフトウェアなどはPL法の対象外
拡大被害の有無によらない。

拡大被害が無い場合は、
民法に基づく
瑕疵担保責任や
債務不履行責任等が適用可

拡大被害ある場合のみ
(その製造物自体の損害に留まらず、エンドユーザーの生命・身体・財産に被害が発生した場合)

立証条件:
1)損害があること
2)加害者の「故意・過失
3)損害と「故意・過失
   の因果関係





立証条件
1)損害があること
2)加害者の「欠陥
3)損害と「欠陥
   の因果関係
立証責任は被害者側    
過失責任
相手側の「故意・過失」を証明する必要がある。
故意・過失が無い(不可抗力)ならば賠償責任は無い

無過失責任
「欠陥」を証明すればよい 
故意・過失の有無によらず、「欠陥」があれば賠償責任が発生。

上の表からもわかるように、
PL法は民法よりも適用する責任の範囲が狭い代わりに、
エンドユーザー(消費者)の立証責任では
PL法の方が民法よりも軽いといえます。

全ての損害に対して、民法が適用できますが、
そのうち、立証が難しい製造物に由来する損害を、
PL法でカバーして、消費者を保護していると言えます。

なお、製造物責任法(PL法)において、
欠陥」とは、
当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう」
(第2条第2項)
と定義されています。

次のような「欠陥」のいずれかに該当する場合に
PL法が適用されます。

1)設計上の欠陥
  設計段階から安全性上のミスがあり、
  製造される製品が全て
  安全性に欠ける欠陥品である場合

2)製造上の欠陥
  製造ラインにミスがあり、
  製造物が設計・仕様どおりに作られず、
  安全性に欠ける欠陥品が製造される場合

   3)指示・警告上の欠陥
     取り扱い上何らかの危険性が存在する製造物について、
     その危険性の発現による事故を
     消費者側で防止・回避する
     のに適切な情報を提供しなかった場合。
     (取扱い説明書にそのことが記載されていないなど)

→ 製造物責任法(PL法)の文面 
→ 製造物責任法(PL法)リンク集@健康ナビ

▲Top

製造物責任法を適用するためには・・・

製造物(製品)の欠陥で事故にあった時は、
事故状況の保存が必要です。

1)事故の原因となった製品は捨てたりせずに保存する。

2)事故の程度がどの程度のものであったかを
  証明するための証拠は残しておく。
  つまり、証拠保全です。
  (事故状況の写真、病院の診断書など)

→ 証拠保全

▲Top

製造物責任法の限界

「免責事由」として、次のような規定があります。

当該製造物をその製造業者等が引き渡した時
における科学又は技術に関する知見によっては、
当該製造物にその欠陥があることを
認識することができなかったこと。

つまり、
医薬品の未知の副作用については、
製薬企業に対して、
製造物責任を問うことができない
のです。

▲Top

←治験ナビ・フレームトップページ