混合診療

健康保険で認められた
範囲内の診療行為に対しては、
健康保険で所定の割合を負担し
(例えば、会社員の場合は7割をカバー)、
範囲外の診療行為に対しては、
患者自身の自己負担で診療費用を支払うこと。

言い換えると、混合診療とは、

診療費用において、
個々の診療行為の内容に応じて、

(1)保険が適用できる診療保険診療 
   ・・・健康保険+一部自己負担

(2)保険が適用されない診療自由診療型
   ・・・自己負担のみ

という、
保険診療と自由診療の2種類の費用負担方法を
組み合わせる(併用する)ことを認めた診療体系
をさします。

患者が一部自己負担するだけで、
残りは、健康保険でカバーされる診療を、
保険診療」と言います。

一方、保険が適用されない、
患者が全額自己負担して受ける診療を
自由診療」と言います。

残念ながら、現在の日本の保険制度では、
混合診療は認められていません。
保険診療
自由診療二者択一ということです。

もし、健康保険の範囲内の診療と
健康保険の範囲外の診療が混在した場合は、
例え、範囲外の診療がわずかであっても、
自由診療と見なされてしまいます。

その場合、初診にさかのぼって、
患者の全額負担(健康保険からの負担は一切なし)
となり、
高額の医療費を請求されることになります。
もちろん、ここでは、保険の適用外となるので、
高額療養費制度
も当然、適用されません。

現在の日本国内の医療においては、
健康保険以外の料金を患者から徴収することは
認められているのは、
差額ベッド(入院時の個室代)、
高度先進医療を受けた場合特定療養費制度
に限定されています。

→ 特定療養費制度
→ 高額療養費制度

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混合診療が禁止されている理由

混合診療を禁止している理由は、3つあります。

1)医療の平等

1つは、国民への平等な医療を保障すること。

混合診療を認めれば、
お金持ちばかりが、高度な医療の恩恵を受ける
という不平等(医療格差)が生じるのを防ぐためです。
そこには、医療の機会均等という考えが根底にあります。

しかし、お金に多少余裕のある人にとっては、
お金があるのに充実した医療を受けられない
(自由診療ほどのお金はないという場合ですが)
という医療機会の喪失
という矛盾も発生します。
従って、平等主義の弊害との指摘の声が上がっています。

また、お金に余裕が無くても、
なんとか節約・工面して医療費を捻出して、
大事な家族に少しでもいい医療を受けさせたい
という、庶民のささやかな願いがかなえられない
という問題もあります。

保険適用外の部分の診療の内容が
どれほどわずかであっても、
一律に全額自己負担にしてしまうのは硬直的だ
という「程度」の問題も指摘されています。

2)医療の質の確保

2つ目の理由は、
健康保険が保障していないような、
安全性及び有効性が確保されていないような
悪質な医療行為の蔓延を防止
することです。

むしろこちらの理由の方が重要だと言えるでしょう。

一般に、保険適用されないような医薬品や医療技術は、
有効性や安全性に問題があると評価された場合
が多いのです。

そのような医療行為が行われれば、
副作用や医療事故など、
重大な健康被害が発生する可能性があります。

患者をさらなる健康被害から守ることが優先されます。

3)医療費増加の回避

万一、混合診療が解禁されれば、
科学的根拠の無い、
訳のわからない、
怪しげな民間療法

一気に広がることが予想されます。

安全性が確認できない治療が行われることによって、
それが原因で患者に健康被害が発生した場合、
その治療の為に、社会保険が適用されて、
結果的に国民医療費が増える
可能性があります。

患者の健康面からだけでなく、
国家財政的な面からも、
混合診療は望ましくないと考えられています。

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混合診療の実現に向けて

混合診療のメリット

混合診療によって、
患者にとって治療の選択肢が増えます

意欲のある医師によって、
日本にいながら海外の先進的な高度な医療を、
一部保険を適用することにより、
妥当な金額で受けることができます。

現在の保険制度では、
保険診療では、
それほど治療費は高額にならない代わりに、
一定水準までの医療までしか受けられません。
一方、非保険診療では、
高度の医療が受けられる代わりに、
高額の医療費の全額自己負担が必要になります。

患者の医療の選択の自由を尊重しつつ、
医療保険制度への影響をできるだけ抑えるには、
混合診療の解禁が最も妥当な落としどころ
であると考えられます。

但し、最新の高度で効果の高い治療法はともかく、
医療の知識の無い患者を、
悪徳民間療法から、どうやって守るか?

この対策が万全という前提がありますが。。。

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混合診療を政府が推進したがる裏の事情(陰謀説)

混合診療の解禁の目的が、
純粋に患者の医療の選択の幅を広げ、
高度な医療の部分だけを自費で受けられるようにすること
ならば、問題はありません。

しかし、
政府が混合診療 を推進したがる裏には、
実は、医療費の削減 があるのでは無いか?
と警戒する声もあります。

混合診療を解禁することにより、
保険診療のカバーする範囲を狭くし、
患者が自己負担する自由診療の範囲を拡大することで、
国民皆保険制度を名目上廃止することなく
国民医療保険制度で支払う医療費を抑制
することを計画しているのではないかということです。

つまり、混合診療解禁は、
医療選択の幅を広げるという、
一見すると国民(患者)の為の政策のように見えますが、
それはあくまでも建前であって、実際には、
患者自己負担額増加による医療費削減
の為の隠れ蓑になる可能性があります。

混合診療が解禁された後、
新しく開発された最先端の医療の多くが、
保険が適用されなくなったり、
従来は保険が適用された医療が、
混合診療解禁に伴い適用範囲が見直されて、
保険適用からはずされるようなことがあれば、
政府の陰謀の証拠となるでしょう。

そして、気がついた時には既に時遅し、
手遅れなのです。

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トクホ

ちなみに、混合診療が解禁されれば、
医家向けの特定保健用食品が新たな市場を獲得する
と期待されており、
既に一部の食品メーカーなどで
開発が進められているそうです。

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療養担当規則第18条

「保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、
 厚生労働大臣の定めるもののほかは行ってはならない。」

 

療養担当規則第19条

「保険医は、
  厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬物を患者に施用し、
  又は処方してはならない。」

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