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医薬品の副作用の発生を予見し、完全に防止することは、現在の科学水準でも限界があります。

医薬品副作用被害救済制度」とは、医薬品の使用に伴い生じる副作用被害について、民事責任とは切り離し、迅速な救済を行うため、医薬品製造業者等の社会的責任に基づく共同事業として、創設された救済制度です。

この制度では、今後発生するかもしれない副作用被害に備えて、すべての医薬品製造業者等が拠出を行い、発生した副作用被害の救済を行う、という一種の保険システムを採用しています。

 
 

サリドマイド、スモンといった医薬品の副作用による重大な健康被害の発生を教訓とし、昭和54年10月に
「医薬品副作用被害救済基金」
(元、医薬品副作用被害救済
      ・研究振興調査機構、
 現在の独立行政法人
   医薬品医療機器総合機構)
が設立されました。

→ 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(総合機構)

昭和55年5月1日以降に使用された医薬品の副作用による健康被害に対して、各種の救済給付を行っています。

→ 救済制度の解説ページ(総合機構)

 
 
制度の対象となる医薬品の種類、副作用の程度等に関して、以下のような要件が定められています。

(1)民事責任の追及が困難な場合

医薬品の製造業者、輸入販売業者、医療機関等、他に損害賠償の責任を有する者の存在が明らかな場合は、救済の対象外となります。

(2)「適正」に使用された場合

医薬品が適正な目的で適正に使用されたにも関わらず発生した副作用被害を対象としています。

本来の使用目的とは異なる「不適正目的」や使用上の注意事項に反する「不適正使用」の場合は、救済の対象外となります。

(3)「副作用」による被害であること

医薬品の薬理作用によって生じる有害反応である「副作用」を対象としています。

医薬品に細菌やウイルス等が混入したことによる「感染」や異物による汚染は救済の対象外となります。

(4)「重い」副作用であること

副作用の中でも、

● 入院治療を必要とする程度の疾病

● 日常生活が著しく制限される程度
  の障害

● 死亡

の場合のみを対象としています。

つまり、軽微な副作用は救済の対象外となります。

(5)「受忍」が適当でない副作用

本来の治療のため受忍することが適当と考えられる副作用は救済の対象外となります。

例えば、

● 「重い」副作用があっても、使用が必要な抗がん剤、免疫抑制剤等の医薬品(「除外医薬品」という)による副作用、

● 救命のためやむを得ず通常の使用量を超えて医薬品を使用したことによる副作用

など。

 
 

入院相当の治療に要する
 @ 医療費
   (医療保険の自己負担分の補てん)
   及び
 A 医療手当、

障害が残っている場合の
 B 障害年金及び
 C 障害児養育年金、

死亡した場合の
 D 遺族年金、
 E 遺族一時金及び
 F 葬祭料

の7種類があります。

→ 給付の種類と給付額
(医薬品医療機器総合機構)

 
 

○ 財源

給付に要する費用は、医薬品製造業者等からの拠出金により賄っています。

○ 実施主体

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(略称:総合機構)

→ 医薬品医療機器総合機構

 
 
補償責任
損害賠償
慰謝料
逸失利益
製造物責任法(PL法)
副作用
薬物有害反応(ADR)
医薬品の投与と副作用
クスリとリスク
副作用は悪者か?
重篤な副作用
予測できない副作用
主作用
有害事象
重篤な有害事象
副作用報告制度
緊急安全性情報
使用上の注意
副作用報告
医薬情報担当者(MR)
忍容性
安全性
最大耐性量/最大耐用量(MTD)
最大継続可能量(MRD)
 
 
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