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被験者の経済的負担を減らすために、
被験者に対して支払われる金銭のこと。

治験に参加すると、被験者は交通費がかかったり、勤めを休んだりする必要があることから、被験者の金銭的損失を少しでも補うことによって、治験参加率を高めることを目的としています。

「負担軽減費」は、あくまでも、被験者の不利益を救済するための制度であり、謝礼や経済的メリットを目的とはしていません。

そもそも、「治療効果があること」こそが、治験参加の最大のメリットであるはずなのですから。

誰に対する負担軽減であるかを明示するために、「被験者負担軽減費」と呼ぶ場合もあります。

 
 

以前は、「治験協力費」とも呼びましたが、
最近の医療機関では「負担軽減費」の方が
好まれて使われています。

協力費」という名称だと、治験に「協力」してくれた「謝礼」「報酬」というニュアンスが強く、治験への参加が経済目的(お金目当て)であるかのような印象を与えます。

そこで現在では、 「補助金」の響き(イメージ)がある「負担軽減費」が定着しました。

 
 

「負担軽減費」は、治験依頼者(製薬企業等)が用意し、治験を実施する医療機関を通して支払われます。

負担軽減費の額は、治験の種類、つまり、
疾患、患者の受ける侵襲・苦痛、検査の内容・かかる時間等によって異なります。

一回の通院につき、大体、7000円前後が目安とされています。

 
 

負担軽減費は、治験のために来院することに対して支払われます。

文部科学省の通知で、負担軽減費が、外来患者を想定して記述されていたためです。

従って、もともと入院している方の場合、来院という作業が発生しないので、本来は負担軽減費は支払う必要はありません。

また、治験のためのみに入院する必要がある場合は、入院と退院を1セットとして、1回分支払われます。

つまり、入院者に対する治験、入院が必要な治験の場合、負担軽減費を目当てに治験に参加することは、不可能です。

なぜなら、支払われないからです。

しかし、負担軽減費には、「治験に参加することによる被験者の精神的負担を、経済的な面から補填する」という意味があることも確かです。

そのため、入院している被験者にも、ある程度の額の「負担軽減費」を支払うべきだ
という意見があります。

また、病院のすぐ近くに住んでいるため、
交通費をかけずに来院できる被験者にも、
負担軽減費は他の被験者と同額支払われます。

「それでは、入院している被験者と大して変わらないではないか?」 という矛盾もはらんでいます。

 
 

なお、上記のような制限があるのは、国立の医療機関の場合です。

私立の医療機関の場合は、各医療機関の事情に応じて多少の裁量が認められています。

治験審査委員会で事前に協議して決めた「過剰でない範囲の金額」で、負担軽減費を支払うことが可能です。

入院患者、製造販売後臨床試験の参加者、医療機関近所からの通院患者などに対して、負担軽減費支給の自由度を認めることは、治験の推進には不可欠であると考えられます。

 
 
治験Q&A:治験に参加したらお金(謝礼)をもらえるのか?
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