ヘルシンキ宣言(日本語訳)
C. メディカル・ケアと結びついた医学研究
のための追加原則

A. 序言
B. すべての医学研究のための基本原則
C. メディカル・ケアと結びついた医学研究のための追加原則
28.

医師が医学研究を
メディカル・ケアと結びつけることができるのは

その研究が予防、診断または治療上価値があり得る
として正当であるとされる範囲

に限られる。

医学研究がメディカル・ケアと結びつく場合には、
被験者である患者を守るためにさらなる基準が適用される。

29.

新しい方法の利益、危険性、負担及び有効性は、
現在最善とされている予防、診断及び治療方法
と比較考量されなければならない。

ただし、
証明された予防、診断及び治療方法が存在しない場合
の研究において、
プラセボの使用または治療しないことの選択を
排除するものではない。

30.

研究終了後、
研究に参加したすべての患者は、
その研究によって最善と証明された
予防、診断及び治療方法を利用できる
ことが保障されなければならない。

31.

医師は
ケアのどの部分が研究に関連しているか
を患者に十分説明しなければならない。

患者の研究参加の拒否が、
患者と医師の関係を断じて妨げるべきではない。

32.

患者治療の際に、
証明された予防、診断及び治療方法が存在しないとき
または効果がないとされているときに、
その患者からインフォームド・コンセントを得た医師は、

まだ証明されていないまたは新しい
予防、診断及び治療方法が、
生命を救い、
健康を回復し、あるいは
苦痛を緩和する
望みがあると判断した場合には、
それらの方法を利用する自由がある
というべきである。

可能であれば、これらの方法は、
その安全性と有効性を評価するために計画された研究
の対象とされるべきである。

すべての例において、新しい情報は記録され、
また適切な場合には、刊行されなければならない。

この宣言の他の関連するガイドラインは、
この項においても遵守されなければならない。


*脚注:

WMAヘルシンキ宣言第29項目明確化のための注釈

WMAはここに、
プラシーボ対照試験を行う際には最大限の注意が必要であり、
また一般にこの方法は
既存の証明された治療法がないときに限って利用するべきである
という立場を改めて表明する。

しかしながら、プラシーボ対照試験は、
たとえ証明された治療法が存在するときであっても、
以下の条件のもとでは倫理的に行ってよいとされる。

 ・ やむを得ず、また科学的に正しいという方法論的理由により、
   それを行うことが予防、診断または治療方法の
   効率性もしくは安全性を決定するために必要である場合

 ・ 予防、診断、または治療方法を
   軽い症状に対して調査しているとき
で、
   プラシーボを受ける患者に
   深刻または非可逆的な損害という追加的リスクが
   決して生じないであろうと考えられる場合

ヘルシンキ宣言の他のすべての項目、
特に適切な倫理、科学審査の必要性は
順守されなければならない。
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