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治験実施前、あるいは実施中に、プラセボかどうか教えてくれない理由は、

前Q&A項目
プラセボであるかどうかなぜ教えないのか?
で説明した通りです。

では、
治験終了後ならば、自分に投与されたのが実薬なのか、プラセボなのか、教えてくれてもいいのでは?
と思われることでしょう。

被験者として治験に協力したのだから、それ位、教えてくれたっていいはずだ。

自分に投与されたのが何かわからないと、気持ちが悪い。寝覚めが悪い。

その気持ち、よくわかります。

しかし、 重篤な副作用が出るなど、最悪の事態が起きない限り、治験終了後であっても、被験者に対して、プラセボかどうかを教えてくれることは、ありえません。

 
 

@ 当該治験の製薬企業のイメージ悪化

プラセボを投与されたことを知った被験者は、治験を実施した製薬企業に対して、悪い印象を持ち、SNSやブログに書いたり、周りの人に言いふらしたりすることが予想されます。

それによって、その製薬企業の企業イメージが低下し、製品売上等に影響する可能性があります。

また、その製薬企業がそれ以降に実施する治験への参加希望者が、減少する可能性があります。

A 当該治験実施医療機関のイメージ悪化

プラセボを投与されたことを知った被験者は、その治験実施医療機関に対して悪い印象を持ち、SNSやブログに書いたり、周りの人に言いふらしたりすることが予想されます。

それによって、その医療機関のイメージが低下し、通常診療の来院者数が減少する可能性があります。

また、その医療機関でそれ以降に実施する治験への参加希望者が、減少する可能性があります。

B 治験自体のイメージ悪化

プラセボを投与されたことを知った被験者は、治験自体に対して悪い印象を持ち、SNSやブログに書いたり、周りの人に言いふらしたりすることが予想されます。

それによって、治験自体に対するイメージが低下し、治験全体の参加希望者が減少する可能性があります。

C プラシーボ効果を持続させたい

もし、プラセボを投与されていたことを被験者が知ってしまうと、それまで機能していたプラシーボ効果がなくなって、その後、病状が悪化する可能性があります。

プラシーボ効果がもし機能しているならば、そのままにしておくのが、誰にとっても幸せなことなのです。

→ プラシーボ効果

本来ならば、治験終了後であってもプラセボであったかどうかは教えない旨を、治験参加前の同意・説明の際に、被験者に対して知らせるべきでしょう。

しかし、同意説明文書には、記載されていないことが多いのです。

意図的に記載していないのか、知りたいと思う人がいるとは想定していないのか、たまたま、同意説明文書を作成する人の気が回らないのか、は分かりませんが。。。

プラセボを投与される可能性のある治験に
参加する予定のある方は、「治験終了後にプラセボかどうか教えてもらえるか?」聞いてみるといいでしょう。

100%の確率で「教えられません」と言われるはずです。

そこで、「終了後に教えてくれないのなら参加しない」と言った場合にどう対応するかは見ものですね。

 
 
プラセボとは?
プラセボ対照試験
ヘルシンキ宣言におけるプラセボに関する記述
 
 
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