なぜ、プラセボを使うのか?(その1)

新薬(新薬候補物質)の有効性を科学的に明らかにする
為の実験法としては、
全く薬理学的活性を持たないプラセボと比較することが
もっとも合理的であると考えられています。

二重盲験によって、プラシーボ効果を防ぐことができれば、
本当に効果のある物質であれば、
有効性を示すはずであり、
プラセボと比較すればその効果の差は明快に現れるからです。

もし、効果の無い物質であれば、
たいした有効性は示されず、プラセボとの差は殆ど無い。

つまり、科学的な観点から言えば、
プラセボを使用することの意義は非常に大きいのです。

▲Topへ

なぜ、プラセボを使うのか?(その2)

「実薬」を「対照薬」とする試験において、
効果が同程度であることを証明するのは、
(それを統計的データでこじつけること。
 ※ 真実であることの証明ではない)
実は容易であることが分かってきました。

※このように効果が同程度あることを証明する試験を
  「同等性試験」といいます。

試験を適当(いいかげん)に行えば行うほど、
効果が同程度であると説明するデータが得られやすくなる

という、 統計学の盲点
(統計学をよく知っている人にとっては常識であり、
 「抜け穴」とも言う)
があるのです。

もしかして、日本でこれまでプラセボが使われなかったのは、
非医療性、非倫理性以前に、
製薬メーカーが新薬の承認を選られやすくするための方策
だったのかもしれません。

一方、米国(FDA)では、臨床試験の実施に対しては、
プラセボ対照試験を多くの場合に強く要求しており、
「 臨床試験のための統計的原則」においても、
優越性試験が中心に置かれています。

日米欧のICH会議における合意でも、
プラセボ対照の臨床試験を推奨しています。

もはや、流れは、「実薬」→「プラセボ」となっています。

今後の課題は、
「プラセボ」にあたるかもしれない「臨床試験」に対して
インフォームドコンセントによって、
患者をどうやって納得させ、
参加への同意を取得することができるかでしょう。

▲Topへ

 
 
なぜ、プラセボを使うのか?(その3)

「実薬」を対照薬とする治験には、問題がある。

数年前に、
効果のほとんど無い「アルツハイマー治療薬」が
市販され、使われているという事実が
市販後調査の結果明らかになり、
承認が取り消されたという事件がありました。

副作用が少ない為、効果が無くても気休めの意味で、
あるいは、治療しているというポーズの為、
あるいは、大量の薬剤投与によって薬剤費を稼ぐため
医療の現場で使われ続けていたのです。

そもそも、このような効果が無い薬が承認されたのは、
以前は臨床試験のデータねつ造が頻繁に行われていたこと、
当時の当局の審査官が買収されていたことが、
原因であると考えられます。

また、それ以外の原因として、
同じ様に効果の無い他の既存薬と比較して、
有効性において同等である、あるいは
有効性において多少上回る
と証明された為だとも言われています。

つまり、有効性の少ない薬(実薬)を対照薬として比較すると、
ちょっと治療効果があるだけでも、
既存薬より有効な薬とされてしまうのです。

「対照薬」として有効性の少ない薬(実薬)をわざと選んで、
治験の計画を立てることにより、
被験薬の有効性は相対的に高い結果が得られます。

プラセボの倫理的問題を逆手にとって、
意図的に有効性の少ない薬を対象薬とすることによって、
新薬として承認されるのであれば、実に本末転倒なことです。

このように「実薬」を対照薬とする治験には、
信頼性に問題があるのです。

▲Topへ


<プラセボFAQ>
 

0.プラセボとは?
1.なぜ、プラセボを使うのか?
2.プラセボは倫理的に問題があるのでは?
3.プラセボとインフォームドコンセント
4.プラセボが用いられる場合は?
5.プラセボに当たる確率は?
6.プラセボであるかどうかなぜ教えないのか?
7.治験終了後にでプラセボかどうか教えてもらえるか?
8.プラセボに関するヘルシンキ宣言の表記

▲Topへ

←治験ナビ・治験Q&Aインデックス
←治験ナビ・フレームトップページ