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副作用が起きる理由の1つに、他の薬との併用があげられます。

通常、治験では他薬との併用は認めないようにしています。

薬を併用すると副作用が生じる可能性が高くなるからです。

したがって、併用薬を認めるのは、その薬との組み合わせが治療上不可欠である場合に限定されます。

市販薬ほど投与実績がない被験薬では、薬の併用による副作用の情報も少なく、それだけ「予期しない副作用」が発生する可能性が高くなります。

もちろん、被験薬と同じ種類の市販薬の傾向から、副作用の発現する状況を予測できる場合もあります。

いずれにせよ、もし現在服用している薬があるのであれば、治験に申し込む際、正直に申告する必要があるでしょう。

治験に参加したいからという理由で、併用薬があることを黙っていれば、それこそ自分の体を副作用の危険にさらすことになり、疾患治療のために治験に参加する意味がなくなります。

→ 併用薬

疾患治療のためこれまで服用していた「治療薬」についても同様です。

→ 薬歴

治験実施前には、前治療薬の影響を無くすための休薬期間を設けます。この期間を、「ウォッシュアウト期間」と呼びます。

→ ウォッシュアウト

前治療薬の効果が残っていると、治験データが正確に得られないだけでなく、前治療薬と被験薬との相互作用による副作用発現の可能性もあるからです。

しかし、治験参加希望者が治験に参加したいあまり、他の医療機関で治療を受けていたことを申告しなければ、治験実施医療機関には、その事実がわかりません。調べようもありません。

結局、治験に参加できたとしても、他の医療機関で処方され服用していた薬との相互作用による副作用が発生して、治験参加中止になることも、実際にあるのです。

ですから、現在受けている治療(飲んでいる薬)についても、自分が過去に受けた治療(処方された薬)についても、すべて正直かつ正確に、治験担当医師及び治験コーディネーターに申告して下さい。

申告しなければ、結局、治療効果が得られないどころか、自分の健康を害することになります。

併用薬
薬歴
ウォッシュアウト
 
 

治験では、治験薬の飲み方が決められています。

決められた通りに飲まないことが副作用につながる場合があります。

たとえば、服用量です。

たくさん飲めばその分効果も上がるだろうと、一回に規定量より多く服用すれば、とても危険です。

前回飲み忘れたので、その分も合わせて服用する行為も同様に危険です。

絶対にやめましょう。

また、飲み忘れてしまった場合や、規定量より少なく服用してしまった場合も、治療効果が少なくなるだけで済むから大丈夫と思うかも知れません。

しかし、疾患によっては、治療効果が少なくなること自体が、別の症状を引き起こす可能性も十分あり得ます。

飲み忘れ、服用ミスなどをした場合は、自分で勝手な判断をしたりせず、その旨を担当医師や治験コーディネーターに申告し、指示を受けることが大切です。

アルコール類やグレープフルーツ系飲料と一緒に飲んではいけないというような、服用の仕方の指定がたいていあります。

それは、単に治験薬の効果を正確に測定したいという意味だけでなく、治験薬を有効に機能させ、かつ副作用を防ぐという意味もあります。

服用の仕方を守ることが、副作用の防止につながります。

 
 

副作用の発現は、その人の体質に左右される部分が大きいことが、これまでの臨床試験(治験など)からわかっています。

治験に参加する前に、

@ アレルギーの有無

A 過去の罹病歴
  (以前どんな病気にかかったか?)

B 肝疾患・腎疾患の有無

C 家族歴(家族がかかった病気)

D 妊娠有無、可能性有無 、授乳中か?

などについては、必ず、担当医師に聞かれるはずです。

なぜなら、上記の項目が副作用発現に大きく関わってくるからです。

 
 

例えば、妊娠していたりその可能性があれば、治験に参加することはできません。

それを申告せず治験を受けてしまうと、胎児に深刻な影響が出る可能性があります。

妊娠していることを知らずに治験に参加して、途中で妊娠がわかって急きょ、治験を中断するという事例が時々あります。

治験に参加する女性の方は注意して下さい。

もちろん、治験期間中の性行為も避けるべきでしょう。

コンドームの使用等、避妊しているから大丈夫だと思ったら大間違いです。

100%の避妊は不可能です。

また、万一、ピルを使用した場合は、そのピルの成分が治験データに影響を及ぼすだけでなく、治験薬との相互作用によって副作用を引き起こす可能性もあります。

治験に参加するということは、特に女性にとっては、性行動が大きく制限されるということを意味します。

赤ん坊に授乳中の方は、母乳から薬の成分が赤ん坊の体内に入ってしまうことが考えられます。

治験参加中は、決して母乳を与えないよう、注意する必要があります。

また、治験終了後も、薬の成分が母親の体内に残留しているため、しばらくの間は、母乳を与えない方が良いとされています。

この点は、治験薬に限らず、処方薬、大衆薬についても言えることです。

 
 

治験薬であろうと、既に承認され処方されている医薬品であろうと、薬効成分のある物質に、副作用は、大なり小なり付きものです。

完全に防ぐことができないのであれば、万一副作用が生じた時に、いかに最低限に抑えるかという視点も大事です。

治験において、薬を服用したり、注射された場合に、吐き気、頭痛など、少しでもいつもの体調と違う感じがあれば、直ちに治験担当医師に早めに申し出て下さい。

副作用も初期の段階で気が付き、適切な治療を受ければ、それ程大きな症状に発展せずに済みます。

治験においては、いつ副作用が起きても、迅速かつ適切に対処できるような体制が整っています。

体に異常が生じた時に、24時間で電話相談を受けつけてくれることも多いので、むしろ普通の診療に比べて安心できるぐらいです。

その利便性を利用しない手はありません。

また、自分は過敏だからとか、迷惑をかけると申しわけないからと、遠慮していると、重大な副作用に発展し、かえって取り返しのつかない事態を招く可能性もあります。

そのような事態は、治験実施側にとっても避けたいので、遠慮などまったく不要です。

いずれにせよ、体調の変化は、治験参加者自身が一番最初に気づきます。

副作用のわずかな兆候は、本人にしか気づかない場合が多いのです。

つまり、副作用を最小限に抑えるための最善の適任者は、まさに、被験者自身だということになります。

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